【台湾タキゲン】ダイカスト品 生産工場を見学

弊社の協力会社である守谷商会様のダイカスト工場、伍鎰工業股份有限公司様に訪問し、ダイカスト製品の生産工程や品質管理について学びました。

参加メンバー

立地環境

八田與一

伍鎰工業様のある台南は、台北より新幹線で約1時間30分に位置します。かつては製糖業が盛んでしたが、現在は工業団地・科学園区(サイエンスパーク)となり、TSMCなど世界屈指の半導体製造ファウンドリの生産拠点となっています。

気候は5月から10月までは平均気温30℃以上と大変暑く、冬季は雨が少ない地域です。同地区にある さん とう ダムは、日本人の技術者である 八田はった よう いち が策定。1920年に着工し1930年に完成した、当時では東洋一の規模となるダムです。不毛な土地と呼ばれていた嘉南平原が台湾一の穀倉地帯となったことから、與一は「 なん たい しゅう の父」として、現在もなお多くの人々に慕われ続けている日本人の一人です。

レポート:鋳造を学ぶ

伍鎰工業様は、亜鉛ダイカストを中心とした弊社製品を生産し、台湾守谷商会様を通じていつもお世話になっている協力工場です。

1978年に台南で創業し、社員数180名、工場面積は2,450坪。鋳造・研磨・加工・めっき・塗装・組立て・検査・梱包を一貫して生産管理できるのが強みです。これまでなかなか足を運ぶ機会がありませんでしたが、入社以来、初めて訪問を実現することができました。

講義では、陳副総経理や担当の李様より実際の鋳造サンプルを見せていただきながら、鋳造時の注意点を説明いただきました。実際に亜鉛とアルミニウムを手に取ることで、比重の違いを体感することができました。

溶解する温度も違い、溶湯温度はアルミダイカストの700℃と比べ、亜鉛ダイカストは420℃と低く、そのために亜鉛ダイカストの金型寿命が長くなることを学びました。

一つの製品は多くの人の手によって完成します。今後の営業活動においては、ただ売ろうとするのではなく、また価格競争をするのでもなく、良い物を作れば売れると信じて、製品に込められた協力工場様の丹精と技術もお客様に伝えていけるようになりたいです。改めて、協力工場様の存在の大きさを実感できた一日でした。

レポート:生産の現場を知る

台湾の加工工場は、コストダウンのため工程の一部を協力会社に依頼することが少なくありません。その際の問題点は、品質管理です。品質不良による再加工などの二重手間を防止するため、伍鎰工業様では各工程の設備やシステムを確立し、一貫管理で品質を守っています。

工場見学では、製品を作る時の工夫などを教えていただきました。ダイカスト鋳造時には製品に気泡ができないように、真空ダイカストという手法で製品を作っています。金型のメンテナンスも定期的に行われ、亜鉛原料は海外と台湾国内の2つのルートで確保されていました。切削加工部分は全て日本製の加工機が使われており、作業環境は大変綺麗に保たれていました。

めっき処理は1点1点ラックに吊るされて行われ、検査梱包ラインではベテランの検査員が手順書を元に専用治具で寸法を確認しながら作業が行われていました。

伍鎰工業様に生産をお願いしている弊社製品の種類は大変多く、その一つひとつの商品に、多くの人の手が携わっていることを再認識しました。今後は商品のことをもっと理解し、営業活動を頑張りたいと思います。