医療現場の点滴周りの電源問題を解決したLE-550 「点滴ポール電源コンセント」を製品化しました。

情報会議の中で、“新製品 点滴ポール電源コンセント”の勉強会を実施しました。医療現場で働く臨床工学技士のご要望を伺いながら製品化をしており、現場の様々な問題を解消する製品になっています。

開発経緯

開発担当者 駒田

実際に医療現場で働く、臨床工学技士の方のご要望から製品化を行いました。

点滴ポールには点滴量をコントロールするための輸液ポンプや薬剤量をコントロールするシリンジポンプが2、3台設置されます。

それぞれに電源が必要で、壁面のコンセントに直接つなぐか、一般的な電源タップを床に置くか、点滴ポールに結束バンドなどで固定して使用しています。そのため壁面のコンセントに直接つないだ場合は、移動時コードを抜くのが大変で取り回しが悪い。また、電源コードに足をひっかけて電源が抜けてしまったり、点滴ポールが転倒する危険があります。床に置いた場合は、コードを引きずるため不衛生。結束バンドなどで固定した場合は、電源コンセントが回ってしまったり脱落の危険がある。また本体取付金具の拭き掃除がしにくいため不衛生です。かつ、コンセントに輸液や薬液が流入することによりショートが起こる危険があります。

事故が起こることを未然に防ぐために点滴ポールに後付けできる電源コンセントの開発が求められました。

LE-550導入前

LE-550未導入:垂れ下がった複数の電源コード

LE-550

LE-550導入後:電源コードがスッキリ

LE-550点滴ポール電源コンセントのポイント

LE-550

庇のガードでコンセント側に水が入りにくい。

LE-550

通電時にはランプが点灯

  1. コンセントは3Pの4個口にし、最大4台までの機器を設置することができます。
  2. ドライバー1本で点滴ポールに後付けできます。
  3. 点滴など上から落下した液体は、庇の横を流れ落ちる構造になっています。また、差し込み口を一段下げ、斜め下方向からコンセントを差し込む構造のため、挿入口の中まで液体が入りにくい設計で、液体の流入によるショートが起きにくい構造です。
  4. コンセントとプラグには医用JIS T 1021適合品を使用しています。
  5. 通電時にはランプが点灯するため、目視で確認することができます。
  6. 接地極を上にすることで極間短絡停電事故を防止します。
  7. 用途に合わせ、コードの長さが3mと5mのモデルを用意しました。また非常電源用として、コンセントとプラグが赤のタイプLE-550-Redも在庫があります。

JIS T 1021 医用コンセント

医用は一般家庭用のコンセント・プラグと比べ、接地抵抗、強度、耐薬品性、耐久性がはるかに優れています。特に有益なのが、耐引抜性が強いため、万が一コードを踏んでしまっても抜けづらく、接触抵抗が10mΩ以下なので、装置に悪影響が出にくいのが特長です。病院ではホスピタルグレードと言われています。

取付け方法

LE-550study-07工具はプラスドライバー1本のみで行えます。

  1. 点滴ポールからポールを分離してパイプパッキンを取付け位置にセットします。ポール径が大きいときは水につけると滑りやすくなります。このパイプパッキンは上からの液体流入も防ぐ役割をしているため、ねじれやズレがないように設置してください。
  2. パイプバンドを2つ使い、ポールに固定します。本体が動かないか必ず確認してください。
  3. 後カバーを設置します。縁にあるパッキンがズレないように注意して取付けてください。
  4. 必要に応じてコードフックを取付けてください。上下どちらでも問題ありません。電源タップのギリギリにつけると、シリンジポンプの設置幅が広がるためおすすめです。コードを巻いて完成です。

横付けにカスタマイズ

LE-550後ろ

専用金具でφ16から32mmまでのパイプ径に対応できます

LE-550前

横に設置することで複数の電源コンセントを設置できます

縦

パイプ径がφ16から32mmまで対応できます。縦設置もできます。

複数設置するために横付けの要望があり、取付け金具も開発しました。この取付金具を使うことでパイプ系がφ16から32まで適用することができます。

LE-550質疑応答

LE-550study-08

LE-550study-09

LE-550study-10

サンプル貸出請求の対応について教えてください

医療機器業公正取引協議会の規約があり、貸出しについて基準が設けられています。これは病院に対して不当な取引の手段にならないように取り決められています。業界が変わるとルールも違います。デモのための貸出しは1ヶ月以内と決められているので、1カ月後は、引取るか買い取りをお伺いするようにお願いします。また、所有者がわかるように会社名のシールを貼るようにしてください。

LE-550の取付けで上部にリング状のパイプパッキンを設置しますが、取付けエリアは電源とは隔離されているため、液体が入ってしまっても問題ないのではないでしょうか?

現状の金具

現状の金具

ご指摘の通りに液体が入っても問題がない構造になっています。衛生面を考慮して掃除のしやすさを追求しています。輸液は金属と接触すると錆びの原因になるためカバー内部に液体が入らないようにゴムパッキンを配置しています。現状、点滴ポールに取付けられている金具には錆が見られます。

LE-550のご注文や価格の確認はこちらから