図面の見方、ノギスの使い方【東京支店・本社配属新入社員研修】

本年、東京支店と本社に配属された新入社員は4月4日~5月13日の日程でOJT研修を実施しました。
今回、4月13日に実施された設計部室岡さんの「図面の見方、ノギスの使い方」講座を取材しました。
図面の見方
第三角法と第一角法の違い
今回は、製図の基本となる三角法と一角法について説明します。
物を作る上で図面は無くてはならないものです。図面は立体(3次元)を平面(2次元)に表現した情報の伝達手段です。図面に何の決まりもないと、人それぞれの書き方で図を描いたり、見る側もそれぞれに異なった解釈をして、正確に伝わりません。
そこで、物の形を正確に伝えるためのルールが必要になります。そのルールが、第三角法と第一角法です。
JIS(日本産業規格)では三角法を用いることになっていますが、必要な状況では一角法を使用しても良いことになっています。
それぞれの特徴として、三角法は機械部品や小さいものに適しており、日本やアメリカで用いられています。箱の展開図のように個別の投影図が同じ位置関係になり、私たちにはなじみの深い図です。
一角法は大きな構造物、船舶や建築物などと相性が良いようです。また、図学はヨーロッパを中心に発達してきたこともあり、古くから一角法を採用しているヨーロッパ諸国も多いようです。
それでは、第三角法と第一角法の違いをご紹介します。


図のように、A正面図を右から見た図(右側面図D)をA正面図の右側に描くのが三角法、左側に書くのが一角法になります。
ややこしいですが、両者の違いを理解していないと、実際の面と反対の面が加工されてしまうなど、致命的なミスを起こしかねませんので、注意が必要です。
図面の投影法のマーク

図面はその投影法がわかるようにマークを記載する決まりとなっています。
日本のJISでは第三角法のマークを図面枠内に配置する必要があります。ヨーロッパはISOにより第一角法を推奨しています。図面を読む時は、まずこのマークを確認してから図の読み間違えを防ぐ必要があります。
ノギスの使い方
物の寸法を測る道具は定規や巻尺(メジャー)などがありますが、より正確に測るための道具としてノギスがあります。
ノギスの種類
ノギスには標準型のほか、0.01mmまで測れるダイヤルノギス、数値を表示できるデジタルノギスがあります。
また、測定する物の形状によって穴の中心間を測るピッチノギス、内側を測るインサイドノギスなどもあります。

今回は価格的にも手頃で0.05mm単位(100分の5mm)まで精密に測れる標準型のノギスの使い方を勉強していきます。
各部の名称

4つの測定方法
ノギスの測り方には(1)外側測定、(2)内側測定、(3)段差測定、(4)深さ測定の4つの測り方があります。

測り方(頻度の多い外側用ジョウの場合)
測りたい対象物を外側用ジョウではさみます。
副尺目盛の「0」の位置がどの数値を超えているかで1mm単位を測定し、次の小数点以下は本尺と副尺のお互いの目盛が一直線に合致している線を探します。
その位置の数値を読みます。0.05mm単位。
測定方法
測定値は、本尺目盛(1mm単位)+副尺目盛(0.05mm単位)で読取ります。

測るコツ

対象物をノギスでまっすぐはさみ、目盛を読取るときはまっすぐ見ます。何回か測定して平均値を出せば、より正確です。
ご紹介したのは、図面の見方やノギスの使い方の基本になります。
設計や測定の参考にしてみてください。