
【第14回】『平家物語』の舞台は異国情緒の世界貿易都市へ 神戸支店

神戸港
第14回は、神戸支店です。神戸は平安時代末期、平清盛が平家興隆を託した貿易や束の間の遷都の地。また源平合戦「一ノ谷の戦い」の舞台でもあります。時を経て鎖国が開け、開港した神戸は西洋文化をいち早く受け入れ、独自の進化を遂げながら、異国情緒漂う魅力あふれる港湾都市になりました。

源平合戦図屏風
祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず
ただ春の夜の夢のごとし
たけき者もついには滅びぬ
偏に風の前の塵に同じ
有名な『平家物語』の冒頭の一節です。時は平安時代末期。平清盛が率いた平家の興隆と没落の伝承による物語は、神戸の地にも刻まれました。
日宋貿易を振興し栄華を極める

北野の異人館/風見鶏の館
保元の乱、平治の乱で勝利した平清盛は、朝廷の軍事力や警察力を掌握し、徐々に武家政権の礎を築いていきました。1167年に武士として初めて太政大臣になりますが、表向きは政治の舞台から身を引き、翌年病に倒れたのを機に出家。摂津国福原(現神戸市)の別荘に居住しました。
福原の近くには外国との交易で重要な瀬戸内海の拠点、天然の良港「大輪田泊」がありました。現在の神戸港です。病から回復した平清盛は、1173年にここを一大修築し、「経ヶ島」という人口島を造り、中国・宋との貿易を大いに振興させ、莫大な財を成していきました。ここに「平家にあらずんば人にあらず」と語られるほどの栄華を極めます。
「福原京」遷都から一ノ谷の戦いへ
1180年に安徳天皇の外祖父になった清盛をはじめ、地位、権力、財力を独占する平氏に対し、後白河法皇の皇子、以仁王が「平氏打倒の令旨」を出し、自らも挙兵しますが失敗。しかし反平氏勢力はさらに拡大します。そこで清盛は同年6月、半ば強引に福原に遷都しますが、源氏勢の挙兵により、わずか6か月間で京都に還都。清盛も翌年2月には病死しました。
実質的な棟梁を失った平氏一門は動揺し、ついに1183年、三男の平宗盛が安徳天皇と三種の神器を奉じて西国に都落ちを実行します。すると身を隠していた後白河法皇は三種の神器の奪還と平氏追討の宣旨を出し、平氏を賊軍としました。
大宰府まで落ちのびた平氏は、再び勢力を回復させながら福原まで戻りました。しかし、1184年3月20日の「一ノ谷の戦い」で、源義経による鵯越・「逆さ落とし」の奇襲などに遭い惨敗。続く屋島、壇ノ浦の戦いで遂に平氏は滅びました。
兵庫港が開港異国文化と独自の融合
近世、約230年もの鎖国時代が終焉を迎え、1868年に開港5港のひとつとして兵庫港(神戸港)が開港。時代は明治、いち早く多様な西洋の文化を吸収し、国際貿易都市に発展していきました。
また本年1月17日は阪神淡路大震災の20年の節目でした。改めて哀悼の意を表すとともに、防災の意識を高めたいと思います。
タキゲン製造株式会社 神戸支店
〒650-0047
神戸市中央区港島南町1-4-9
TEL:078-303-9001
営業時間:月~金曜日:8:45~19:00
駐車場:5台