
企業が実施している持続可能な環境への取組みをご紹介します。記事には空欄になっているところがあるので、考えながら読んでビジネスに活用してみましょう!
木造の公共建築物

木造住宅の人気が高まり、新たに着工した住宅戸数に占める割合が6割に迫っています。建築費の安さや木の温もりなどが支持の理由と言われますが、地球環境へのメリットも特長です。木材は、樹木が成長時に吸収したCO2を炭素として貯蔵して排出せず、建築中に排出されるCO2量は鉄骨造や鉄筋コンクリート造の約6割に抑えられます。また植林すれば30~50年後に使えるため、持続可能な資源と言えます。

秋田県能代市(のしろし)が、小中学校を含め
可能な限り公共建築物を【(A)】へ。

木目が美しく強度に優れて変形しにくい秋田杉の産地として有名な能代市は、木材加工が盛んで「木都(もくと)」と呼ばれます。こうした背景から“木の学校づくり”が進められ、1995年以降に改築・新築した全ての小中学校(7校)の校舎を木造で建設しています。
この取組みは当初、小学校3校を建て直すにあたり「地元の木材で木造の学校を」と住民から多くの声が上がったのがきっかけでした。設計にも工夫が凝らされ、三角形の切妻屋根や杉板を用いた外壁の意匠に、寺社の山門をイメージした昇降口、開校時の校名「扇寿校」に由来する扇形を採用した造りなど、伝統を意識したデザインが随所に採り入れられています。
さらに2012年には「能代市木材利用促進基本方針」を施行し、法令上の規定がある場合や防災関連施設など木造が困難な場合を除き「学校を含む低層の公共建築物は原則として木造とする」と定めました。最近では、多世代の地域住民が交流する場としても機能する市営住宅などが木造で建てられ、森林資源の持続的な利用促進に向けて、更なる展開を目指しています。
(A) 木造


【(B)】デザイン賞のストロー
地球環境を守る国内の森林整備に向けて、木の良さとその価値を再発見させる製品や取組みを顕彰するウッドデザイン賞を知っていますか? 優秀賞の中に、森林に光を届かせるために伐採した間伐材を、厚さ0.15mmにスライスして作ったストローがあります。松や楓、桜など多様な地域材を利用できるうえ、加工しづらい節目の部分も使えるので、国産材の有効活用にもつながっています。
(B)ウッド