企業が実施している持続可能な環境への取組みをご紹介します。記事には空欄になっているところがあるので、考えながら読んでビジネスに活用してみましょう!
「エコフィード」で家畜の飼料自給率アップ
「エコフィード」という言葉をご存じでしょうか? これは「エコ」と、飼料を意味する「フィード」を併せた造語で、食品を製造する過程でできた副産物や非可食部、余剰食品などを利用して製造された家畜用の飼料を指します。畜産業においては飼料の約7割を海外からの輸入に依存しており、穀物相場の変動で飼料費が大きな影響を受けることもあります。国内の飼料自給率アップにも繋がる取組みとして、今「エコフィード」が注目されています。
【キユーピー株式会社】
【(A)】の端材を牛の飼料として再利用
安心&安定供給を実現
調味料メーカーであるキユーピーは、定番のシーザーサラダをはじめ、サラダ文化を日本に根付かせたパイオニアでもあります。同社のグループ企業ではカット野菜の製造を行っていますが、野菜を加工する際に発生する大量の端材は、一般的には産業廃棄物として処理されていました。食資源の有効活用を目指すキユーピーは、「未利用資源」としてこれに着目。独自の技術で飼料化することを実現し、高い評価を得ています。
カット野菜の未利用部分は水分が多く、大量の硝酸態窒素を含みます。これを乳牛が摂取すると疾病の原因となるため、飼料化することは一見困難でした。しかし専用の脱水機を導入することで、水溶性の硝酸態窒素を低減させることに成功。さらに牧草などに用いられる「サイレージ」技術を応用し、密封したコンテナバッグ内で乳酸発酵させ腐敗を抑制。保存性・流通性を担保し、安定供給を可能にしました。今まで多くを輸入に頼っていた飼料を安価で安定供給することができ、酪農家の経営コストの削減にも繋がる画期的な施策となっています。
(A) カット野菜
実は美食家? 嗜好性の強い牛も発酵させた【(B)】飼料はよく食べる!
牛は好き嫌いが多く、気に入らない餌は食べません。痩せて乳量が落ちてしまっては本末転倒 ! そこで飼料研究の第一人者である東京農工大学の佐藤幹教授(現:東北大学教授)とキユーピーで共同研究を行い、発酵させたキャベツ飼料を牛に与える実験を行ったところ、摂食量が+20%、乳量が+10%に増加。乳質も以前と変わらないことが証明されました。牛にも環境にも嬉しい、まさに持続可能な取組みであるといえます。
(B) キャベツ