企業が実施している持続可能な環境への取組みをご紹介します。記事には空欄になっているところがあるので、考えながら読んでビジネスに活用してみましょう!
生物多様性や自然環境の課題をITの力で解決
地球上には最大3,000万種ともいわれる多様な生き物が暮らし、それぞれがお互いに繋がり合い、支え合って生態系を維持しています。しかし人間の活動によって気候変動や土地の汚染、生息環境の損失などの影響が引き起こされ、生き物が絶滅するスピードは自然の速度の約1,000倍になっていると言われています。今回は、生物多様性や自然環境の保護に関する様々な課題を、ITの力で解決するベンチャー企業に取材しました。
【株式会社バイオーム】
生き物の【(A)】を集めて投稿!
アプリで楽しく自然保護
株式会社バイオームが提供するいきものコレクションアプリ「Biome」。日本国内のほぼ全種、約9万種にもおよぶ動植物の情報を収録し、カメラで生き物を撮影するとAIが名前を判定してくれます。自分が見つけた生き物を投稿することで、いつどんな生き物がいたかをマップで共有できたり、生き物のレア度に応じてポイントがたまりバッヂをもらえたりと、様々なコンテンツが盛り込まれています。専門知識がない人でも手軽に生物観察ができることから、約2年半で36万DLという人気ぶりです。しかしこのアプリで着目したいのは、集められたデータの活用法。収集された生物の情報と高度な解析技術で「超広域・細粒度・リアルタイム」な生物多様性ビッグデータを構築し、外来種や希少種の動向の把握、気候変動の影響調査、生態系サービスの数値化、地方の自然の観光資源化など様々な目的で利用されています。楽しくアプリを使うことでデータが蓄積され、それがビジネスとなり、自然保護へ繋がるという「保全がお金になる」仕組みは、環境と経済が結び付き環境保全に寄与する、まさにサステナブルな正の循環を生んでいます。
(A) 写真
生き物のデータを活用し【(B)】対策にも貢献
「Biome」のデータは環境保全団体や研究機関、行政機関に提供され、様々な活用が行われています。例えば、環境省との取組みである「気候変動いきもの大調査」は、地球温暖化の影響を実際に調査・体感し、対策を呼び掛けるために実施されました。地球温暖化で分布(住む場所)が変化している可能性がある生き物をアプリで記録するこの企画により、渡り鳥の越冬地の北上や、南西諸島での昆虫の分布変化などが確認されています。
(B) 地球温暖化