
企業が実施している持続可能な環境への取組みをご紹介します。記事には空欄になっているところがあるので、考えながら読んでビジネスに活用してみましょう!
廃棄素材から生まれた香り豊かなクラフトジン

「アップサイクル」とは、不要になったものをただ二次利用するだけでなく、新しい価値を加えて生まれ変わらせる取組みのこと。近年食品分野でも広がりを見せており、様々な企業がアップサイクル食品の開発を推し進めています。今回は、廃棄素材から素晴らしいお酒「クラフトジン」を製造している企業を取材しました。
【エシカル・スピリッツ株式会社】
【(A)】から生まれた香り豊かなクラフトジン

「循環経済を実現する蒸留プラットフォーム」を掲げる会社、エシカル・スピリッツ。廃棄される酒粕からジンを生産、その利益で酒米を購入し、蔵元で再度日本酒を生産するというプロジェクトを立上げています。同社のCOO・小野氏にこの取組みについて伺いました。
Q1.「酒粕をリユースするクラフトジン」というアイデアが生まれた経緯を教えてください。
代表の山本が日本酒のセレクトショップを経営する中で、多くの酒蔵が酒粕の活用に悩んでいることに気付きました。酒粕は販売もされていますが、全てを活用できているとは言えません。清酒と酒粕には液体か固体かの違いしかないにも関わらず、市場価値に大きな差があることが課題意識へと繋がりました。
Q2. 数あるお酒の中で、「クラフトジン」を選んだ理由は何だったのでしょうか?
理由は大きく2つです。1つはアルコール度数が高く、賞味期限という概念がない蒸留酒であること。長く消費者に提供できることは、酒粕を有効活用する中では非常に重要でした。2つめはジンの定義が広く、柔軟であること。「ジュニパーベリーという木の実で香り付けをした蒸留酒」という定義のため、ベースとなる酒やジュニパーベリーでの香り付けの他に制限はありません。その自由度の高さからジンは近年世界中で急成長しているジャンルであり、大きな可能性を秘めていました。
Q3.2020年のプロジェクトスタート以降、ご反響はいかがでしょうか?
ストーリーに共感してくださる方はもちろんですが、我々はお酒造りにおいて「美味しさ」を最優先していることから、純粋に味わいを気に入ってくださるお客様の支持も増えています。世界的なコンペティションでの実績も増え、品質面での評価も高まっています。
Q4.今後の展望をお聞かせください。
酒粕以外にも、コロナ禍で余ってしまったビールや日本酒を再生したジンなどを販売し、廃棄素材の可能性を表現する製品をリリースしています。今後は供給量を増やし、消費の観点でもインパクトを残せるような展開を拡大していきたいですね。
(A) 酒粕