日本国内の旅客輸送に占める鉄道の割合、29%

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鉄道は、環境負荷の少ない輸送システムと言われます。具体的には、日本国内で年間に排出される二酸化炭素の総量は12億2700万トン(2015年)ですが、部門別では運輸部門が17.4%を占めています。その運輸部門の内訳をみると鉄道は4.3%を占めるだけ、自家用乗用車の46.9%に比べると10分の1以下になっています。

また、単位輸送量(人を一人1km運ぶ)あたりの二酸化炭素排出量を比べても、鉄道は乗用車の8分の1以下、航空機の5分の1以下、公共交通機関のバスとの比較でも2.5分の1以下です。それでいて旅客の輸送全体の29%を担っているのですから、いかに鉄道がエコロジーな輸送システムかが分かります。

しかし、仮に10両編成の電車に乗客が一人だけ、そしてハイブリッド乗用車に5人が乗っているとすれば、当然ですが単位輸送量あたりの二酸化炭素排出量は逆転します。つまり、多くの人が乗用車を控え、鉄道やバスなどの公共交通機関を利用するよう心がけていなければ、ここで紹介したデータは成立しない、ということも覚えておきましょう。