酸性化が進む世界の海洋の平均的な水素イオン濃度は、pH8.1

世界的に海洋の酸性化が進んでいることが、気象庁の発表した国際的な観測データによって明らかになりました。産業革命以前の海水は平均でpH8.17だったことが確認されていますが、人間の活動による二酸化炭素の大量排出の結果、海水が吸収する量も増え、過去30年で見ると0.05(10年あたりで0.018)ほどpHが下がっています。

pH(水素イオン)は7が中性で、それより数字が高くなるとアルカリ性、低ければ酸性を示します。今後、海水が二酸化炭素を大量に吸収することで表面付近のpHが下がり、さらに水温の上昇が加わると、一種の飽和状態となって海水が二酸化炭素を吸収する能力が弱まる可能性もあります。それは一層の温暖化を促進することに繋がります。

二酸化炭素は水に溶けると酸としての性質を示します。その結果、海水の酸性化が進むと海の生物の殻や骨格を形成する炭酸カルシウムの生成が妨害され、サンゴや貝類、プランクトンなど多くの生物にも影響がでます。気象庁など多くの観測機関は、現状のままでは今世紀の半ばには生物への影響が顕著になるだろうと考え、警鐘を鳴らしています。