家庭ゴミを燃料にした廃棄物発電、その年間の発電量「8,762GWh」

家庭から出るゴミ(一般廃棄物)を焼却場で燃やして処理する際、その熱を利用して電気をつくる廃棄物発電が進んでいます。発電の原理は火力発電と同じで、焼却熱を活用してボイラーで蒸気をつくり、タービンを回して発電します。燃料が石油などの化石燃料からゴミに代わっただけ。捨てるものから電気をつくるので“お得感”もあります。

一般廃棄物の焼却場は全国に1,120カ所ほどありますが、環境省によると、そのうち約32%の施設が発電設備をもっています。発電効率は火力発電の4分の1ほど。しかし、太陽光や風力に比べると、エネルギー源のゴミが安定して供給されるのもメリットです。焼却熱は発電だけでなく、地域の冷暖房に有効活用されているのもよく知られています。

平成28年度に家庭から出されたゴミの総量は4,317万トン。それを燃料にして発電された電気量は8,762GWhで、295万世帯の年間の電力使用量に相当します。出して、燃やして、埋め立てる。それが当たり前だったゴミ処理も、熱利用、発電など思わぬ副産物を生み出す時代になっています。もっとも、「だからもっとゴミを出そう」は間違いです。