昨年、気象庁の「生物季節観測」でホタルを確認したのは?「26府県」
ホタルの明滅する光を最後に見たのは、いつですか?ウグイスの鳴き声を覚えていますか? 日本は元来、四季の彩りの豊かな国で、季節の訪れを告げる植物や動物にも多種多様なものがありました。しかし、環境破壊や汚染、また温暖化などの影響で、大昔から身近な生物として人びとに親しまれてきた動植物がどんどん減ってきています。
気象庁は1953年から「生物季節観測」を行なっています。季節を告げる植物の開花、あるいは動物の姿、鳴き声などを確認した初日を全国的に調べ、季節の移り変わりの変化をチェックしているのです。残念なことに、主に動物で地域によって姿が確認できず、観測対象から外されるものが増えています(植物は人為的に植えることが可能ですが)。
例えば、ホタル。夏のイメージがありますが、代表的なゲンジボタルは5月から6月にかけて主に本州、四国、九州で見られる昆虫です。かつては全国的に観測されていましたが(1950年代には北海道でも観測された)、昨年の「生物季節観測」では26府県でしか確認されていません。ホタルに限った話ではなく、季節の移ろいを教えてくれた生物たちが、環境の変化で次々と姿を消しているのです。