世界の海に流出しているプラスチックごみの総量「478万〜1,275万トン」

かつての酸性雨、オゾン層破壊などのように、環境問題には時に喫緊の課題が浮上します。現在では、まず地球温暖化、そして海に流出する廃プラスチック問題でしょう。

アメリカなどの研究チームによると、いま世界では年間に約4億トン(2015年)のプラスチックが生産され、そのうち478万〜1,275万トンが海へ流出していると推計されています。推計量でさえ3倍近い差があるあたりが問題の複雑さを示しています。

海への排出ルートではアジアの国々が上位を占めていますが、先進国からアジアへ廃プラスチックが輸出されているため(日本も2018年には約100万トン輸出)、世界全体で生産・流通・廃棄をトータルに見直す必要があります。

そのため今年5月には、有害廃棄物の国境を越えた移動を規制するバーゼル条約で、汚れた廃プラスチックが新たな対象に加えられました。また、G20大阪サミットでも、2050年までに海洋へのプラスチックごみの排出をゼロにする目標が採択されました。

2016年のダボス会議は、プラスチック問題を放置しておくと、2050年までに海に流出したプラスチックの量が魚の量を超える(重量ベース)と警告しています。