温暖化の熱ストレスで労働生産性が低下、その経済損失は「2兆4,000億ドル」

地球温暖化による気温上昇を産業革命前より1.5℃以内に抑えたとしても、2030年までに世界の労働生産性は大幅に低下し、熱ストレスで約2.2%の労働時間が失われると国際労働機関(ILO)が発表しました。それは8,000万人のフルタイムの雇用に相当し、経済損失は2兆4,000億ドルと推計されています。

最も温暖化の影響を受けると思われる農業分野では、労働時間が60%も減少する可能性があります。また建設業では19%の減少。しかも、両分野の作業が日陰で行われると仮定したうえで60%と19%ですから、現実はもっと厳しくなりそうです。

アメリカ海洋大気庁(NOAA)やEUの気象機関が今年の7月は観測史上で一番暑い月だったと発表しましたが、今夏はフランスで42.6℃、ドイツで41.5℃、オランダで40.4℃、ベルギーで40.6℃、インドでは50.8℃など次々に過去最高気温を記録しました。

温暖化は人々の健康への影響はもちろん、南極や北極の氷の溶融、干ばつ、砂漠化などにも関連し、食料生産にも大打撃があります。世界は本気にならなければいけません。