日本の食を支える農業従事者の数「約175万人」

江戸時代(中期〜末期)、日本の人口は3,000〜3,200万人ほどと推計され、そのうち約80%が農民であったといわれています。完全な農業国家でした。明治維新以降にどんどん工業化が進み、現在、農業に従事する人の数は約175万人にまで減少しています。人口の1.4%以下です。14人の人が1,000人用の農作物をつくっている割合になります。
日本の農業が抱える問題として、この農業従事者の減少、高齢化、後継者不足があります。にもかかわらず農業へ新規参入することも教育・訓練の面で難しいという現実もあります。いま175万人の農業従事者のうち65歳以上は約120万人(7割近く)で、平均年齢は66.8歳です。高齢化と後継者不足はどの産業でも同じとはいえ、農業の場合は更に深刻な状況にあります。
では農業に新規参加する人はといえば、平成29年度の場合、約55,700人と少なく、49歳以下の人は半分以下の2万人強しかいません。農業の場合、新しく農耕地を確保するのは難しく、経済的な事情からも新規参入は難しいといわれます。ICTやロボット技術を導入し、省力化や高品質生産を目指す「スマート農業」が期待されているのも納得できます。