世界の海鳥の90%がプラスチックを誤飲していると豪英の研究チームが発表
胃の中に200個の破片があった例も。海鳥の数は過去60年で30%以上減。
アホウドリやウミツバメ、カツオドリなど世界の海鳥の約90%が、ビニール袋、ボトルのふた、合成繊維などプラスチックごみを誤って飲み込み、体内に蓄積させていることが、オーストラリアやイギリスの研究チームによって明らかになった。
海鳥がプラスチックごみを誤って飲み込むことは数十年前から指摘されていたが、1960年代の調査では胃の中からプラスチックが見つかる海鳥は5%にも満たなかった。しかし、1980年代になると一気に80%に増え、2014年では90%になった。このまま汚染が続けば2050年ごろには95%にまで被害が広がる可能性があるという。
海鳥は色鮮やかなボトルのふたなどをエサと間違って飲み込むことが多い。もしプラスチックに尖った部分があれば、内蔵に穴があき命を落とすこともある。また大量に飲み込んで体内で蓄積されれば、その影響で消化管が詰まるなどの健康被害がでる。
世界では現在、年間に約3億トンのプラスチックが製造され、そのうちの6 ~ 10%が海洋に投棄されると推計されている。漁業に使う網や大きなプラスチック製品が風や波の影響で破砕されて小さくなり、それらを海鳥が飲み込んでしまうことになる。今回の調査では、胃の中から200個ものプラスチック破片が見つかった海鳥もいたという。
世界の海鳥は1950年から2010年の間に67%まで減ったことが最近の研究でわかっている。このままでは海鳥が絶滅すると研究者たちは警鐘を鳴らしている。