
カーシェアリング促進で600万トンのCO2削減とドイツ連邦環境庁が試算
「共有」をテーマにした活動が広がる欧州。車だけでなく住居の共有でも効果の期待。
ヨーロッパでは複数の人が自動車を共同で保有して、交互に利用するカーシェアリングが広がりつつあるが、ドイツ連邦環境庁は、全交通におけるカーシェアリングの割合が1.4%(一回の利用が7km)で、公共交通の利用が21.1%、自転車の利用が3%になった場合、年間に600万トンのCO2を削減できるという研究を公表した。
カーシェアリングは1948年にスイスのチューリッヒで最初に実施された。当初は経済的理由で車を購入できない人を対象とした取り組みだったが、次第に環境面での効果も期待されるようになり、 1987年に本格的なカーシェアリング会社が設立された。その後はヨーロッパを中心に利用者が増え、日本でも現在は60万人ほどが会員になっている。
また同庁は、今後は特にシニア層でのルームシェアリングが増え、さらには多様な世代が一緒に生活する住宅の重要度が高くなることも予測した。仮に160万人の人びとがルームシェアをした場合、年間に約100万トンの建築素材が削減され、冷蔵庫や洗濯機、乾燥機などの家電の共同利用により100万トンのCO2が削減できるとも予想している。