ビルの屋上・壁面緑化の施工実績が昨年は過去最高、と国土交通省公表

ビル緑化

昨年はサッカー場45面分が緑化。汚染物質を分解する新技術も登場。

都市部のヒートアイランド現象を緩和し、省エネ効果も高いと評価されているビルの屋上緑化(壁面緑化も含む)が注目されているが、平成26年は複合植栽を用いた屋上・壁面緑化の施工実績が、面積でも割合でも過去最高になったと国土交通省が発表した。

ビルの屋上や壁面を緑化すると、土壌による断熱効果があり、また生い茂る植物が日射を遮ることでビル内の温度上昇を抑制する。そのため省エネ効果があるだけでなく、植物の蒸散作用によって屋外空間の温度上昇をも緩和する効果が見込める。つまり屋上・壁面の緑化は、ビル内の環境を改善し、都市全体の環境も改善すると期待されている。

発表によると、平成26年には少なくとも屋上緑化が26.9ヘクタール(サッカー場にして約38面分)、壁面緑化は5.0ヘクタール(同約7面分)が改めて創出されたという。 また近年は大気汚染物質を浄化する緑化システムも登場し、話題になっている。このシステムはファンで屋外の空気を吸入し、それを土壌内に送り込むことで、空気中の汚染物質を土壌菌に分解させるというもの。二酸化窒素(NO2)なら約90%、 PM2.5(微小粒子状物質)なら約65%が分解により削減されるという。土壌菌による分解という自然の作用を活用するため弊害が少なく、長期的な効果を期待することもできる。

平成12年から26年までの15年間に、屋上緑化は少なくとも413.8ヘクタール、壁面緑化は68.0ヘクタールが創出されていて、今後ますます増えると期待されている。