26年ぶりに30%台に戻った木材自給率31.2%
日本は国土面積(3779万ha)の約67%を森林が占める森林大国です。しかし、国内で使用する木材の多くを海外からの輸入材に頼っていて、豊富な森林資源はあまり手入れもされず荒廃したままという残念な状態がつづいています。いったい何故でしょうか?
昭和20年代から30年代にかけて、戦争で荒廃した国土を復興させるため木材の需要が高まり、政府は拡大造林政策をとりました。広葉樹などの天然林を伐採した跡地に、成長が早く、経済的な価値も高いスギやヒノキなどの針葉樹を大量に植えたのです。
しかし、昭和30年代になると木材輸入の自由化が進み(全面的自由化は昭和39年)、海外から安い輸入材が安定的に入るようになりました。しかも国内ではエネルギー革命により電気やガス、石油が主な燃料となり、従来の木炭や薪の需要は激減します。その結果、植えたスギやヒノキは放置され、荒廃し、これが花粉症の一因ともいわれます。
ところが、ここ数年、国産材の使用が進み、平成26年の木材需給では、昭和63年以降で初めて自給率が30%台に戻り、31.2%を記録しました。植林、定期的な間伐、そして伐採というサイクルが戻れば、日本の森林も再び健全な姿に還っていくことでしょう。