航空分野が世界で排出する年間の二酸化炭素の総量、約6億7,000万トン(2015年)

世界の空を飛ぶ国際線航空機が排出しているCO2(二酸化炭素)が規制されることになりました。国連の国際民間航空機関(ICAO)が今年の総会で、各航空会社にCO2排出量の上限を設定し、2020年を基準として以降は排出量を増やさないことを決めたのです。

現在、世界全体で排出されるCO2の総量は約335億トン(2015年)で、ICAOによれば全体の約2%(約6億7,000万トン)が航空分野から出ているといいます。そのうち国際線から出されているCO2を2020年以降は増やさない、そういう決定です。国内線からの排出はパリ協定の枠内ですが、国際線は国境を越えて飛ぶためパリ協定の対象とはならず、CO2の排出を抑制する新しい規制が必要とされていたのです。

今後、航空各社はエネルギー効率のよい新型機種を導入する、従来の原油由来のジェット燃料からバイオマス由来のものに切り替えるなどの対応を迫られます。世界で年間に35億人以上の人が国際線、国内線を利用している現在、航空機は欠かせない移動手段ですが、単位(人キロ)当たりのCO2排出量は鉄道や海運よりはるかに多く、また今後は旅客輸送だけで4.6%もの伸びが予測されているため、今回の規制が注目を集めています。