外来生物が全世界でもたらす被害の総額、110兆円

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日本ではブラックバスなどが代表ですが、もともとその地域にいなかった生物が他の地域から人間の活動によって入ってきて、そこの生態系などに影響を与える。そういう「外来生物」の問題がいま世界中で起きています。国際自然保護連合(IUCN)は外来生物による被害の総額は全世界で110兆円になるとの推計を発表しています。

外来生物とは、人間がペットや家畜などとして持ち込んだ生物(植物も含む)で、渡り鳥や回遊魚のように生物の力で移動したものは含みません。日本には明治以降で2000種を超す動植物が海外から入り込んで定着していることが各種の調査で確認されています。

多くの外来生物は移った先で子孫を残せず絶滅します。また、生き残ったものも深刻な影響を与えず生態系に溶け込んでいきますが、一部は新しい生息地の野生生物を食い荒らす、生息環境を破壊するなど被害を与え、それらは「侵略的外来種」と呼ばれます。

人やモノが全世界を移動する現在、外来生物を完全に防ぐことは不可能ですが、おのおのの地域の生態系を守るには、極力「入れない」「捨てない」「拡げない」が大切です。