平成27年に日本国内で排出されたダイオキシン類の総量、118〜120g-TEQ/年

1997年、『奪われし未来』という書籍が訴えた環境ホルモン(内分泌撹乱物質)の存在が話題になり、その代表的なものにダイオキシンがあるとマスコミが騒いだことを記憶されているでしょうか。ダイオキシンには環境ホルモンとしての作用だけでなく、強い毒性やヒトに対する発がん性もありますが、その後、様々な規制で減少し、環境省の発表では平成27年の国内排出量は118〜120g-TEQ/年になっています。

ダイオキシンは単一の物質ではなく、塩素の数と、その塩素がどこに付くかなどの違いによって多くの異性体が存在し、それらを総称して「ダイオキシン類」と呼びます。主に廃棄物の焼却、塩素を使ったパルプ漂白、農薬などの化学物質を製造する際の副生成物として発生することが知られています。

塩素を含む廃棄物を焼却する際に発生するのが一番多く、800℃以上で廃棄物を燃やす、焼却の際のガスを急速に冷やす、フィルターを設置するなどの方法で発生量を減少させています。その結果、現在では多くの測定で環境基準を達成するまでになってきました。