「パワー半導体」の開発と普及で削減可能になる国内の電力使用量は、10%以上
半導体工場はとてもクリーンで清潔なことで知られています。ゴミはもちろん落ちていないし、作業員は全身を覆う服を着て、髪の毛一本も落とさぬよう注意しています。
しかし、見た目の清潔感と環境的な問題とは別で、半導体工場では莫大なエネルギー(主に電気)を使用し、洗浄用の水も大量に、そして各種の化学薬品も使われ、過去にはさまざまな環境問題や健康問題も起きました。といっても、けっして半導体工場が他の業界の工場に比べて環境汚染を引き起こしやすい訳ではありませんし、改善も進んでいます。
半導体のエコに対する逆説的な特徴は、それ自身の製造にはエネルギーを大量に必要とするけれど、半導体の普及によって省エネがどんどん進むという点にあります。
なかでも注目されているのがパワー半導体と呼ばれるもので、電気自動車や送電システム、コンピュータなど多方面に使われています。現在はシリコン製ですが、通電時に熱として無駄になる電力が大きいのが難点。しかし、次世代型は電力ロスが10分の1になると試算され、開発、普及が進めば国内の電力使用量の10%以上が削減可能とか。
Question
電気事業連合会のデータによると、国内の年間電力使用量(2015年度)は、おおよそどのくらいでしょう?
A 約3,000億kWh
B 約5,000億kWh
C 約8,000億kWh