日本の産業や文化の発展を支える最新の技術を紹介するコーナーです。
クイック光質センサ
生産性と品質を両立させるLED点灯検査機により、肉眼で行われていたLEDの品質検査を自動化。高品質なLEDランプの安定的な量産を実現しました。
「クイック光質センサ」は…
- LED発光体の輝度や色度を判別できるセンサ
- 20万ルクス以上の高輝度光源も減光フィルタなしで受光可能
- 約10億色の高精度な識別が瞬時に行える
急増する車載用LEDの製造と厳しい顧客ニーズへの対応
LEDの高輝度化・小型化・軽量化が進むにつれ、車に搭載されるLEDの種類や数が急増。元来、LEDランプの輝度や色の違いは肉眼で判定していたため、増え続ける需要とともに品質を維持しながらも生産性をあげることが求められていました。
また、車載用LED市場の顧客ニーズとして低コスト・短納期があげられ、製造の自動化を構築する必要がありました。
数値による判定精度は肉眼の1000倍!
LEDの輝度や発光色の違いを瞬時に測定・判別する「クイック光質センサ」を自社開発。このセンサは、一般的な照度計では測定不能な20万ルクス以上の高輝度光源から、低輝度光源である表示灯やアクセサリー照明など幅広い光源を判定可能。また、人間の目で識別できるとされる約100万色の点灯検査と比べ、1000倍以上となる約10億色の識別が瞬時に行えます。輝度と色の測定を完全に分離し、それぞれに対して判定ができる高精度を有しています。
これまで肉眼によって行われていた検査もデータの数値化ができるため、トレーサビリティ対策が図られています。
さらには、クイック光質センサのコントロール基板とセンサ基板を一体式にすることで、センサユニットを10分の1に小型化。ケーブル1本での給電および通信による省配線化も実現し、設置性能が上がりました。現在は、自社の量産ラインの1000カ所以上にこのセンサを導入。製品の品質担保を担っています。
この輝度・発光色測定技術を応用して、自動車の塗装色を判別する技術も開発。さらなる色の測定検出の技術開発に取り組んでいます。
取材協力