新製品について担当者にインタビューするコーナー。活用方法を始め、開発秘話を掲載しています。

「半導体製造装置」の国際的なガイドライン SEMI規格に準拠する製品開発について

京都⽀店 ⼤友

SEMI規格について


ー そもそもSEMI規格とはどのような規格なのでしょうか?

大友 1950年頃にアメリカでトランジスタが発明されたのをきっかけに、半導体産業が⼤きく成⻑しました。そんななか半導体製造装置や材料の標準化が必要になり、1970年に半導体団体としてアメリカのカリフォルニア州に半導体業界SEMIが発⾜しました。1973年にはSEMI規格委員会が設置され、それ以降、材料以外にもハードウエア、ソフトウエア、設備、ガス、環境、健康、安全等多岐にわたり標準規格が制定されました。⽇本には1985年にSEMI Japanが設⽴、その後、ヨーロッパを始めアジア各地でも設⽴され、時代の流れとともにSEMI規格は「半導体製造装置」の国際的なガイドラインとして改定され続けています。SEMI規格は複数の項⽬に分かれていて、その中でもタキゲンはSEMI S8 「半導体製造装置の⼈間⼯学エンジニアリングに対する安全ガイドライン」に準拠した製品を扱っています。

改定の頻度


ー SEMI規格はどれくらいの頻度で改定されるのでしょうか?

大友 改定の頻度は不定期ですが、S8に関しては直近で2015年、2016年、2018年と⾏われました。特に2015年ではハンドル⼨法に関わる⼤幅な改定があり、製品の設計変更が必要となりました。これをタキゲンではお客様の要望と捉え、常に最新規格へ対応する⽅針で、モノ創りに取り組んでいます。

改良のいきさつ


ー 今回A-1082を改良しましたが、いきさつを教えてください。

大友 タキゲンハンドルを半導体製造装置の側⾯に取付けた場合、装置⾃体の外⼨に影響します。例えば設置場所が決まっている中で、装置の外⼨を最⼤まで広げたい場合、A-89Nのような表⾯の⾶び出しが少ない埋込みハンドルを推奨します。

このタイプのハンドルでは、お⽫のような本体に取⼿が収納される構造となりますが、今回の装置ではハンドル取付け⾯に機構部品があり、A-89Nでは⼨法上取付けることができませんでした。

A-1082は⾯付けタイプで、A-89Nよりも表⾯の⾶び出しが増える半⾯、装置内部への取付け⾯積が少なく、⼨法上、筐体の設計に影響がありませんでした。構成部品も取⼿部と取付け部の2部品のみで、投資を抑えながら新SEMI規格へ準拠できるため、製品単価も抑えられます。

お客様も、A-1082を気に⼊られていましたので、A-1082をベースに新SEMI規格へ改良したものがベストと考え提案し、改良に⾄りました。

苦労した点


ー 今回SEMI規格のハンドル担当者として、苦労した点はありますか?

大友 私は今まで半導体業界のお客様を担当したことがなく、全く知識がありませんでした。そのため、インターネットで「SEMI規格」と検索して概要を把握することからスタートしました。実際にSEMI規格書を確認し、使⽤環境、⽬的によって必要とされる細かいサイズが異なることを知りました。また、特注品の開発に携わることもはじめての経験で、試作品を提出し、細かい打合せを重ねて完成させました。その結果誕⽣したA-1082-SE-1が筐体に取付けられている姿を⾒た時の感動は忘れられません。

営業活動をする中で


ー 最後に、⽇頃から営業活動をされている中で、⼼がけていることがあれば教えてください。

大友 今回の案件でもそうですが、タキゲンはあらゆる産業界がお客様になるため、自分にとって未知の業界に携わった時、自分よりお客様の方が製品や分野について詳しい情報を持っていることが多いのが現状です。それに対し、自分で勉強し知識を付けることは勿論必要ですが、更にお客様に実際に会って情報を教えて頂くことも重要と考えています。

顔を突き合わせてコミュニケーションを取ることで相手を知り、自分を知ってもらう。その結果、知識が広がる上、親しみや責任が生まれ、より仕事が楽しく、やりがいを強く感じるようになりました。半導体業界だけではなく、あらゆる業界に対応できる営業マンを目指していきます。

製品情報

[A-1082-SE-1]ステンレスストッパー付取手

SEMI規格に準拠する折りたたみ取手

SEMI S8-0218(SESC6.7)対応(2018年度版)
筐体内部への突起がない面付けタイプ
垂直持上げと水平引張りの両方向でSEMI規格に準拠
折りたためるので収納スペースを取りません


仕様
材質:ステンレス鋼鋳物(SUS304)
表面仕上:鏡面バフ研磨
用途
中型コンテナ

SEMI規格S8-0218 2018準拠 ハンドル一覧

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