新製品について担当者にインタビューするコーナー。活用方法を始め、開発秘話を掲載しています。

アルミ製組⽴て式ボックス構成部品

担当者インタビュー

ーアルミ製組⽴て式ボックス⽤の部品をリリースしましたが、開発の背景にはどのようなエピソードがあったのでしょうか。

ある電動バイクメーカー様が、電動3輪バイクの後部に設置する荷台⽤ボックスの製作を検討されておりました。電動バイクは公道を⾛るため、⾛⾏中は振動に負けず、燃費に影響しないよう軽量なボックスを求められていました。

一般的な荷台用ボックスとして製作されるFRP製は軽くてデザインの⾃由が効きますが、⾦型代など初期投資が⼤きいため、他の材質での検討をされていました。
特装⾞両⾦具を扱っている弊社に当初はパーツだけのご相談をいただいておりましたが、もともと通信機器運搬⽤の可搬ラックシリーズを展開しており、ボックス製作のノウハウがあったことから、軽量かつ強度のあるボックス製作の依頼をいただきました。


ーFD-77-TBシリーズはどのような特徴があるのでしょうか。

ボックスの⾻組みを作ることができる部品を全部で6パーツ⽤意しています。コーナー⾦具にフレームを差込み、ねじ⽌めすることで簡単に⾻組みが完成します。軽量化を図るため、材質はアルミを採⽤しました。本体フレーム(FD-77-TB-4)の⻑さは100〜2,600mmのうち1mm単位でご注⽂いただけるので、⼩型から⼤型までお客様がご希望されるボックスサイズで⾻組みを作ることができます。組⽴てはねじ⽌めのため、溶接などの作業がなく、誰でも簡単に組⽴てることができます。⾻組みにパネルを取付けたい場合は、フレームにパネル取付け⽳を加⼯していただくことで取付けることができるようになります。


ー設計にあたりこだわったポイントをお聞かせください。

まずは、防⽔性と剛性をいかに両⽴させるかを考えました。コーナー⾦具とフレームの接合構造部位を⾼い精度で隙間なく接合させるため、始めにアルミフレームを押出材で作っておき、そのフレームに合せてアルミダイカスト製のコーナー⾦具の設計に⼊りました。

コーナー⾦具とフレームは同じアルミという材質でもダイカストと押出材という全く異なる製法で作っています。ダイカストは⾦型による射出成形のため抜き勾配の制約があり、⼀⽅で押出成形はゆがみや反りが⽣じやすいため、ぴったりはまる形状に仕上げるには熟練の技が必要です。製品化にたどりつくまでに⾦型⼯場と幾度も協議しながら、100分の1mm単位で精度の限界を追求しました。これにより、わずかな防⽔シール材を貼ることで、IPX3を達成することができました。

また、コーナー⾦具は三⽅向からアルミフレームが⾼い精度で接合されているため、ゆがみや隙間が発⽣しない⾼い剛性構造となっています。そのため、壁面をアルミなどのパネルだけではなく、薄いプラダンやテント地であっても振動に強いボックスが作れるようになっています。

ーFD-77-TBシリーズはどのようなシーンでお使いいただけそうでしょうか。

荷台⽤だけでなく、可搬ラックとして⼤切な機器を運搬したり、宅配ボックスとして⼤切な荷物を収納したりするなど、アイデア次第で様々なことにお使いいただけるのではないでしょうか。ご希望のサイズで組⽴てが可能なので、⼀点⼀様で必要とされる場合にも有効と考えています。弊社の部品を組合せて、新しいボックスを創造していただけると嬉しいです。

製品情報

FD-77-TBシリーズ アルミ製組立て式ボックス構成部品
  • ボックスと扉の骨組みが作れる部品です。
  • フレームの長さを指定することで、希望のサイズで作ることができます。
  • コーナー部、ストレート部ともに外側は丸みを帯びた形状のため、デザイン性はもとより、体が接触したときにもケガをしにくい形状です。
  • アルミ製で軽量です。
  • ねじで簡単に組立てられます。