[第25回/宮城県]復興への総仕上げへ着実な前進を
地元の奮闘と多くの支援によって東日本大震災からの復興に向けて立ち上がる宮城県。
ようやく形が整いはじめました。東北の中心地が牽引する、復興への確かな歩みに期待!
復興計画は再生期から発展期へ
東に大きく太平洋を望み、北は岩手県、南は福島県、西は奥羽山脈の蔵王連峰越しに山形県、北西で秋田県にも接する宮城県。県庁所在地の仙台市は人口約108万人(2016年データ)の政令指定都市で、東北地方の行政や経済、文化における中心地です。東京から東北新幹線で約1時間30分、東北の主要都市へもアクセスは良好です。
一方、東日本大震災で被災した沿岸15市町と、内陸6市町は、「宮城県震災復興計画」の「復旧期(2011~2013年度)」を経て、現在「再生期(2014~2017年度)」の最終年度を迎え、来年度からいよいよ「発展期(2018~2020年度)」に入ります。
震災復興計画中の市町
沿岸15市町
気仙沼市、南三陸町、石巻市、女川町、東松島市、松島町、利府町、塩釜市、七ヶ浜町、多賀城市、仙台市、名取市、岩沼市、亘理町、山元町
内陸6市町
白石市、角田市、登米市、栗原市、大崎市、涌谷町
復興への主な進捗状況は、三陸沿岸道路の開通率が約70%、在来線鉄道復旧率約100%、仙台空港利用者数の回復状況が国内線約115%、国際線約69%、被災商工業者の営業再開率が約85%、漁港の復旧工事完成率約72%、漁船(稼働隻数)の復旧状況約98%、主な魚市場の水揚げ状況(金額)が約94%まで回復し、農地やガラス室・ハウス面積の復旧率も約97%になりました。また、復興にとって大変重要な観光客入込数も震災前の約99%まで回復し、今後のさらなる伸びも期待されています(データは2016年~2017年7月末間)。
県の産業別では、食料品、石油・石炭、電子部品、パルプ・紙、鉄鋼などが売上順に並びます。名漁港も多い宮城県、水産業の本格的な回復も待たれるところです。
産業別構成比は、第1次産業1.1 %(全国平均約1.2%)、第2次産業26.5 %(約24.7 %)、第3次産業72.2 %(約74.3%)となっています。
(データは平成26年度/宮城県震災復興・企画部統計課)
観光と食の魅力の宮城
宮城県の仙台市は美しい街路樹が多いところ。12月には恒例の「SENDAI光のページェント」がはじまります。代表的な2つの通り、「定禅寺通」「青葉通」のケヤキ並木には何十万個というランプが灯り、印象的な「杜の都」を演出します。他にも秋保大滝、蔵王の御釜(噴火口)、松島湾、鳴子峡、仙台城址(青葉城)、白石城などの観光地も多いですが、家族連れなら「仙台アンパンマンこどもミュージアム&モール」が仙台駅からも近く、楽しさ満載の旬のスポットで、親子で遊べます。
石巻市でぜひ行きたいのが、震災後1年8カ月ぶりに再開(2012年11月)を果たした、通称「マンガッタン」こと、「石ノ森萬画館」。多くのボランティアや応援メッセージによって再開にこぎつけた石巻の復興シンボルで、地元出身の石ノ森章太郎さんの描いた漫画キャラクター(仮面ライダー他)を一堂に集めた常設展示と企画展示が鑑賞できます。
温泉は奥州三名湯の秋保温泉、作並温泉、日本三景の松島温泉、鳴子温泉などが本場。食の楽しみも多い宮城県。宮城米、仙台牛、宮城野豚、かき、あんこう、牛タン、笹かまぼこ、ずんだもち、はらこ飯、仙台味噌など、地元食材が豊富です。土産は本場の笹かまぼこと銘菓「萩の月」で決まりです。
今後も着実な復興の歩みに期待しつつ、宮城県にもぜひ訪れてみましょう!