[第27回/愛媛県]ほっこり名湯、ゆっくり観光
キャッチフレーズは「愛顏(えがお)あふれる愛媛県」。瀬戸内海に面した柑橘王国。
県庁所在地は名作『坊ちゃん』の舞台と俳句甲子園の松山市。ほっこり名湯、道後温泉もあり。
しまなみ海道が走る、伊予の国
「伊予の国」、愛媛県。瀬戸内海に面する四国の北西に位置する愛媛県。背後に西日本最高峰の石鎚山(1982m)や四国カルスト台地を挟んで高知県、東端で香川県と徳島県に接します。海を前に本州では広島県、山口県、九州では大分県と向き合い、今治(愛媛)~尾道(広島)間には瀬戸内海の芸予諸島を結ぶ全長59.4kmの「しまなみ海道」が走ります。
県庁所在地の松山市は都市機能を無駄なく配置した住みやすさで、松山空港へも約20分。東京からは1時間35分のフライトです。
松山は俳人 正岡子規の出身地、夏目漱石の『坊ちゃん』や司馬遼太郎の『坂の上の雲』などの小説の舞台。また俳句甲子園もある文学の街として親しまれています。
県の産業をみると、製造業では東予地域が県全体の70%を占め、四国中央市が製紙業、今治市が造船業とタオル業、新居浜、西条市が重化学工業を主に展開。一方、中予は松山市の商業、観光、サービス業などの第3次産業が中心、南予はみかんの代表的な産地であり、たい、はまち、真珠の養殖でも全国有数の生産量を誇ります。
産業別構成比は、第1次産業1.9%(全国平均約1.2%)、第2次産業24.9%(約24.7%)、第3次産業72.3%(約74.3%)となっています。
※データは平成26年度/愛媛県企画振興部統計課
冬のこの時期に楽しむ、愛媛
観光ではまず城巡り。標高132mの勝山に立つ松山城は、日本一高いところにある城で、日本の「現存十二天守」の1つ。次の宇和島城もその1つで、流麗な天守をもちます。内堀に海水を取り込んだ日本三大水城の1つが今治城。この2つの城はともに名手、藤堂高虎による築城です。大洲城は2004年に完全に木造復元された天守で、その雄姿を再現しました。今治には村上水軍博物館があり、戦国時代の海賊の品々が歴史を語ります。この間、松山の「坊ちゃん列車」と今治の「タオル美術館」も予定に入れておきたいスポットです。
愛媛で景色を見るならまず大島にある「亀老山展望公園」がオススメです。眼下にしまなみ海道を眺め、瀬戸内海に島影を配した自然美や夕日、ライトアップした橋などが絶景です。ちなみに来島海峡大橋は、約70kmのサイクリングロードの愛媛側玄関口で、本格派にも、レンタルサイクル派にも大切なポイントです。
さて、愛媛の2月には2つの絶好の自然現象が起こります。ひとつは伊予市双海町の「ふたみシーサイド公園」から見る、伊予灘に沈む「だるま夕日」。これは瀬戸内海の風物詩。もうひとつが、内陸で前日の夜間に発生した霧が、日の出頃に一気に強い風によって肱川河口に流れる現象、「肱川あらし」。特に長浜大橋付近の景色は幻想的で美しい。「肱川あらし展望公園」や「雲海展望公園」からが最適です。どちらも感動ものの出会いです。
温泉は有名過ぎる名湯、「道後温泉」。文献上では日本最古です。食ではこの季節、本場宇和島の「じゃこ天」と「鯛めし」をぜひ食べてみたい。最後に、食べてもお土産にもいいのが、朝早く少し並んでも「霧の森大福」です。多彩な観光情報は「いよ観ネット」の検索で。