[第34回/佐賀県]地味な印象でも本物がある“SAGA”
佐賀県と聞いて九州を思い浮かべても、その特色を口にできる人は少ないようです。 しかし、実に多彩で味わい深く、本物の魅力に富む地域なのです。秋の佐賀は特にいい季節。
県を挙げての150年目の博覧会
日本の陶磁器で有田焼や伊万里焼は有名ですが、それでも佐賀県を思い浮かべる人は少なく、県の印象は地味なようです。九州の北西部に位置し、福岡県と長崎県の間に挟まれ、北は恵まれた漁場の玄界灘、南は日本最大の干潟をもつ有明海に面し、面積・人口とも九州7県のうち最も少ない県で、県庁所在地は佐賀市。東京から空路で約1時間50分、JRでは博多から特急で約40分です。
さて、今年2018年は明治維新からちょうど150年。明治維新の国づくりに活躍した「薩長土肥」の4藩の1つが肥前佐賀藩で、多くの人材を輩出し、高い技術力でも貢献しました。それを現代に紹介する「肥前さが幕末維新博覧会」が、県を挙げて2019年1月14日まで開催されています。最新の映像技術と展示によって構成される博覧会は、メイン会場の「幕末維新記念館」をはじめ、佐賀市内中の建物も会場にして展開され、佐賀の誇りと風土を伝えます。
産業では他県に比べ第1次産業の比率が高く、穀物、野菜、果実、畜産物などの農業を中心に、沿岸漁業も盛んです。作物では生産量全国2位のたまねぎをはじめ、麦、大豆、アスパラガス、レンコンなどの収穫量も全国ランキングの上位です。 産業別構成比は、第1次産業 2.9%(全国平均約1.1%)、第2次産業 30.2%(約26.2%)、第3次産業 66.0%(約72.7%)となっています。
※データは平成27年度/佐賀県総務部 統計分析課
世界の「バルーンフェスタ」と地方色豊か「唐津くんち」
秋の季節、佐賀市では世界的なイベント「2018佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」が10月31日(水)~11月4日(日)に開催されます。約100機のバルーンが浮かぶメイン会場の嘉瀬川河川敷は、未体験の美しさと迫力で大いに訪れる価値があります。同時期の11月2日(金)~4日(日)にはユネスコの無形文化遺産に指定された唐津市最大の祭、「唐津くんち」もはじまります。鯛や獅子や兜などの漆工芸の曳山が市内を勇壮に巡行し、見る者を圧倒します。この唐津には100万本とも言われるクロマツの美しい浜辺、国の特別名勝地「虹の松原」もあり、鏡山の展望台や唐津城の天守閣からもその景色が見渡せます。
観光ではほかに、太古へ思いを馳せる「吉野ヶ里歴史公園」も訪れたいところ。広大な遺跡の園内に櫓や竪穴式住居が再現され、弥生時代への興味が一気に湧いてきます。伊万里、有田の焼き物の町も味わい深い風情と日本らしい美意識の発見が多く、ぶらりと立ち寄りたいところです。大人がまじめに遊べて人気なのが「佐賀県立宇宙科学館」、通称「ゆめぎんが」です。科学と宇宙を学びながらプチ体験でき、おまけに入場料も嬉しい安さです。
紅葉シーズンには「御船山楽園」「大興善寺」がともに外せない名所で、心ゆくまで美しさに浸れます。
温泉は南部の武雄温泉、さらに南の日本三大美肌の湯といわれる嬉野温泉が代表的で、その泉質と町の雰囲気で和ませてくれます。佐賀の食で外せないのが「呼子のイカ」と「佐賀牛」です。ご当地では唐津バーガーと、佐賀ラーメンを忘れずにいただきましょう。
観光のサイト「あそぼーさが」は情報が盛りだくさん。まずはここで遊んでみてはいかがでしょうか。