[第35回/大分県]住めばわかる良さ 豊後の「いい田舎ぶり」
心を和ませる豊かな自然とその恵みの食べ物。近くには温泉が湧き出で、人々も温かい。住みやすさが何よりも魅力の大分県は、「いい田舎ぶり」がさりげなく息づきます。
豊後の国の地産力
古くは「豊国」(とよのくに)と呼ばれ、後に「豊後」(ぶんご)となる大分県は九州の北東部に位置し、大きな国東半島を目印に北は周防灘、東は伊予灘、豊後水道に臨みます。西に福岡県と熊本県、南に宮崎県が控えています。県庁所在地は大分市。羽田からの空路で約1時間20~50分。
大分県は「日本一のおんせん県おおいた」を謳い、温泉の湧出量と温泉数ともに日本一。地球上に存在する10種類の泉質のうち8種類を有しています。日本一は他にも、再生可能エネルギー自給率(38.0%)、県指定有形文化財数(建造物/208件)などがあり、また日本初の一村一品運動を開始した実績(1979年当時の平松知事が提唱し、翌80年より県内各市町村で実施)もあります。
山あり海ありの自然の豊かさはまた、海の幸、山の幸の地産の宝庫としても知られ、暮らしてわかる住みよさが何よりも魅力です。
産業では九州で2位の製造品出荷額があり、鉄鋼、石油化学、自動車、半導体製造など各分野がバランスよく立地し、農産物ではホオズキの産出額、サフラン、カボス、乾しいたけ、マダケ竹材の生産量が日本一(平成27~28年度)です。
産業別構成比は、第1次産業2.2%(全国平均約1.1%)、第2次産業29.6%(約26.2%)、第3次産業67.6%(約72.7%)となっています。
※データは平成27年度/大分県企画振興部統計調査課
竹灯りの時代絵と錦秋
大分県の秋の風物詩は、3週続く竹を用いた「大分三大竹灯り」。まず11月3日(土)・4日(日)には臼杵市の「うすき竹宵」。古来の般若姫伝説の霊の里帰りを再現する般若姫行列が竹ぼんぼりの光に包まれて宵に繰り出します。この伝説に由来する日本で唯一国宝指定された磨崖仏(臼杵石仏)は観光で必見です。
続いて11月9日(金)~11日(日)には日田市の「千年あかり」が開催。同市の重要伝統的建造物群保存地区「豆田町」に約3万個の竹灯篭が灯され、花月川の河川敷や街中が幻想的な柔らかい光に浮かび上がります。翌10日(土)と11日(日)には昼のメインである「日田天領まつり」があり、江戸時代に幕府の天領地であった日田での「西国筋郡代着任行列」を再現するため、時代装束を身に付けた200人あまりが町を練り歩き江戸時代へ思いを馳せます。
そして最後が11月16日(金)~18日(日)に開かれる竹田市の「竹楽」。日の暮れた竹田城下町の各所に2万本の竹灯篭が灯り、暮れゆく秋を存分に演出します。
大分県は紅葉(10月下旬~12月上旬)の名所も多く、くじゅう連山、耶馬溪(深耶馬溪・裏耶馬溪)、九酔渓、響渓谷、由布岳、用作公園、金鱗湖、高崎山自然動物園、岡城址ほか、ドライブならやまなみハイウェイも見事なロケーションです。これに別府、湯布院、湯平、天ケ瀬、宝泉寺ほか、県内いたるところにある泉質や趣の異なる温泉を加えれば完璧です。
この時期の食といえば県のブランドでもある関アジ、関サバ、シラス、ちりめんに、豊後牛です。地元グルメは二代目与一の「琉球丼(大分市)」、東洋軒の「とり天(別府)」は押さえておきましょう。ただいま「第33回国民文化祭・おおいた2018」を開催中。色んな出会いが待っています!