
[第37回/福岡県]魅力は語り尽くせない 愛される地元に訳あり

冬のファンタジー・はかた
九州とアジアの玄関口としての歴史はいまも息づき、大きな発展とともに独自の存在感を示す福岡県。地元愛に満ちた活気と暮らしやすさ、食の豊かさは常に人を惹きつけます。
いまもアジアの玄関口
九州北部に位置し、古くより九州やアジアの玄関口として重要な役割を担った福岡県(筑前国)。その歴史の中心が大宰府政庁でした。奈良、平安時代を通して地方行政の重要地として九州に置かれた大宰府は、大陸に対する防衛を担うとともに外交交渉や貿易(博多港)の管理も行いました。現在も九州を牽引する経済の中心地であり、また文化的な発信力も兼ね備えています。
県庁所在地のある福岡市の博多駅には、羽田から空路で約2時間、新幹線では東京から約5時間で着きます。アジアの主要都市への空の便は、上海へ1時間40分、ソウル1時間30分、台湾には2時間40分。博多港や北九州港などへの航路も充実し、多くの観光客を迎えています。
県民が愛する福岡は都市機能がコンパクトにまとまり、周囲に海や山などの自然が身近にある、「適度に都会、適度に田舎」の良さが光ります。
第3次産業の力強さ
博多商人で栄えた福岡は、産業別構成比でも第3次産業の割合が非常に高く、現在では全九州や山口県にまでその商圏を広げています。
農産物にはブランドの八女茶があり、最も高価な「伝統本玉露」は全国一の生産量を誇っています。他にも、たけのこの生産量(平成28年)が日本一です。
産業別構成比は、第1次産業0.7%(全国平均約1.1%)、第2次産業20.5%(約26.2%)、第3次産業78.0%(約72.7%)となっています。
(データは平成27年度/福岡県企画・地域振興部調査統計課)
多様な食を楽しめる屋台文化

皿倉山と都市夜景
冬の福岡で人気を集めるのが2019年1月9日(水)まで開催の「冬のファンタジー・はかた」。博多駅前通りから駅周辺道路に広がる今年のイルミネーションは、120万球のLEDで街を彩ります。港を舞台にした光の演出では、北九州市の門司港で「イルミネーション 門司港レトロ浪漫灯彩」が3月17日(日)まで開催中。歴史的な建造物のライトアップが美しく、また、大晦日のカウントダウンでは花火や汽笛が一斉に新年を祝う特別な時間を提供します。ここ北九州市は新日本三大夜景のひとつです。空気の澄むこの季節には、皿倉山ケーブルカーとスロープカーでぜひ山頂へ。眼下には北九州市、若戸大橋、玄界灘の大パノラマが煌きます。
いま水族館で話題なのが「マリンワールド海の中道」。1月14日(月・祝)までの特別展「アニマルオールスターズ」は、ユニークで脅威の能力をもつ生き物を集めたドキドキ企画を展開中です。

「もつ鍋」は福岡が発祥
さて、おいしいものの宝庫である福岡県の冬は格別の季節となります。身も心も温まる本場の鍋料理「もつ鍋」「水炊き」はその代表的な食のおもてなし。水炊きで一人前2,500~3,000円、もつ煮込みで一人前1,000~1,500円が相場です。この地方で面白いのが、独自に発展した多様な食を楽しむ屋台文化。福岡(天神・中州、長浜)や北九州(小倉)、豚骨ラーメン発祥の久留米などがあります。ラーメン、焼き鳥、天ぷら、おでんから、中華、イタリアン、フレンチと進化し続けます。屋台での注意点は、「料金表のある店」「生ものは食べない」「自分の荷物を意識しておく」「席は譲り合う」などです。行って分かる福岡の楽しさとおいしさ。お土産には菅原道真に縁のあるという太宰府の「梅ヶ枝餅」が喜ばれます。