[第39回/山口県]先人たちの志に学び未来の山口が始動
本州の西端。日本の近代化に向け多くの人材を輩出した山口県。
明治維新より150年を経て、思いも新たに未来に向けて若い世代と共に始動しています。
本州と九州をつなぐ維新のくに
本州西端に位置し、オーストラリアを小さくしたような形の山口県。北は日本海、西は響灘、南は周防灘から瀬戸内海へと三方を海に囲まれる海岸線の総延長は約1,500㎞、その景観は実に多彩です。関門海峡(700m)を挟んだ福岡県北九州市とは、関門トンネルと高速道路の関門橋が結んでいます。
県庁所在地は山口市。羽田空港から約1時間30分で山口宇部空港へ。新幹線では東京−新山口間が約4時間20分です。代表的な自治体に岩国市、周南市、宇部市、下関市などがあります。
昨年、平成30年は明治維新より150年。多くの人材を輩出した郷土の歴史を観光資源に、「やまぐちまるごとISHIN祭」を全県で展開。ここから新しい山口が始動しています。
第2次産業が際立つ工業県
製造業における1事業所あたりの出荷額(17年連続)と、従業員1人あたりの出荷額(5年連続)がともに全国1位(平成26年)の山口県。工場自体が大規模な重工業の比率が高く、化学工業、石油・石炭製品製造の出荷額が顕著です。
産業別構成比は、第1次産業0.7%(全国平均 約1.1%)、第2次産業36.5%(約26.2%)、第3次産業62.8%(約72.7%)となっています。
(※データは平成27年度/山口県総合企画部統計分析課)
歴史とグルメと大自然
山口県で夏といえば、第35回を迎える下関の「関門海峡花火大会」が毎年8月13日に開催。お盆に帰省した人のためにと始まった大会は、やがて門司側(福岡県)との合同花火大会となり、海峡を挟んで両岸から一斉に打ち上がる一大イベントです。
代表的な観光は日本最大のカルスト台地「秋吉台」。台地に映える自然の造形美は散策するもよし、サイクリングやドライブするもよし。台地の山麓には東洋一の鍾乳洞「秋芳洞」があり、約1㎞の観光ルートが気温17度の快適さで堪能できます。
他には、山口市にある「日本三名塔」のひとつで「西の京」といわれる「国宝瑠璃光寺五重塔」と、岩国市にある「日本三名橋」のひとつで木造五連アーチの「錦帯橋」。いつ訪れても季節に溶け込む景観が魅力です。また萩市には、世界遺産(「明治日本の産業革命遺産」)に登録された江戸時代の風情あふれる「萩城下町」や明治維新に活躍した吉田松陰の「松下村塾」をはじめ、3つの歴史的資産見学コースがあります。話題の新名所は下関の離島架橋「角島大橋」。青い海に向かって真っすぐ伸びる絶景の道路橋は通行料が無料です。
食では下関の唐戸市場。魚介類が豊富で、通年で食べられるふぐ刺しやふぐ寿司(旬は10月~2月)、海鮮丼は大人気。旬のはも料理は防府市、9月からのケンサキイカは萩市。B級グルメは焼いた瓦の「瓦そば」、麺類は「ばりそば」「山賊うどん」「宇部ラーメン」。お土産は「ふく茶漬け」が嬉しい逸品です。