[第47回/岡山県]「吉備の国」と「晴れの国」

瀬戸大橋

瀬戸大橋

「桃太郎伝説」ゆかりの「吉備の国」岡山県。瀬戸内海の温暖な気候で「晴れの国」を謳う。豊かな自然が暮らしや産業に寄与し、歴史や文化の観光資源も多彩です。

集中豪雨被害から復興へ

瀬戸内海に面し、穏やかな気候と風光明媚な景色の山陽地方に、「吉備の国」岡山県があります。「桃太郎伝説」ゆかりの、「吉備津彦命」と古代の鬼「温羅」が繰り広げる「温羅伝説」のふるさとです。

東に兵庫県、西に広島県、北に鳥取県、南に瀬戸内海を挟んで香川県があり、日本初の本州四国連絡橋として世界一長い鉄道道路併用橋の「瀬戸大橋」が架かります。中国山地からの3つの河川が湛える良質で豊かな水資源が生活、産業に寄与する自然に恵まれたこの地方は、自ら「晴れの国」を謳います。

県庁所在地は、路面電車が走る岡山市。東京からは山陽新幹線「のぞみ」で3時間強、空路は羽田から1時間10分で岡山桃太郎空港へ到着します。

平成30年7月の西日本豪雨では、倉敷市をはじめ県内各地に甚大な被害が発生、現在も復旧から再生への復興計画が懸命に続いています。

産業では製造業の割合が高く、水島臨海工業地帯では石油、鉄鋼、自動車などの産業が集積。古くより地場産業の繊維業が盛んで、ジーンズ、学生服、また麦わら帽子の生産量が日本一です。農産物では白桃、マスカットの生産量が日本一のフルーツ王国。水の良さから酒造業も盛んです。

産業別構成比は、第1次産業1.2%(全国平均約1.2%)、第2次産業34.8%(約26.7%)、第3次産業63.6%(約72.1%)となっています。

【データは平成29年度/岡山県総合政策局 統計分析課】

町並みの倉敷、城と庭園の岡山

倉敷美観地区

岡山県の代表的な観光地は、江戸時代に天領地として物流の集積地であった倉敷です。特に「倉敷美観地区」は倉敷川を中心に白壁の屋敷や町屋造り、レトロな西洋建築など、風情溢れる古い町並みのそぞろ歩きが格別です。また日本初の西洋美術が中心の私立美術館「大原美術館」や紡績工場跡の「倉敷アイビースクエア」をはじめ、周辺一帯が歴史、文化、芸術に満ちています。他にも瀬戸内海の夕陽を楽しめる「鷲羽山夕景鑑賞バス」がJR児島駅から、瀬戸大橋のライトアップ・水島コンビナートの夜景クルージングが児島観光港からそれぞれ運行されています。

次に岡山市では日本三名園の「岡山後楽園」。代表的な回遊式庭園として知られ、移り変わる季節の景観を歩きながら楽しめる設計です。岡山城(烏城)や吉備津神社もセットでの観光コースです。城好きにはもう一つ、高梁市に現存する日本一高い山城「備中松山城」が外せない天空の城でおススメです。

えびめし

岡山グルメは倉敷市の「たこめし」、旬の果物を盛る名物「フルーツパフェ」、岡山市の「おかやまデミカツ丼」「えびめし」、ご当地パンの「バナナクリームロール」。津山市の「ホルモンうどん」、笠岡市の「笠岡ラーメン」。備前市のカキ入りのお好み焼き「日生カキオコ」(11~3月)や倉敷市のサワラ料理(4~6月)は特に有名なので、シーズンになったら食してみたい一品です。


さて、47都道府県を巡った「ニッポン再発見」も今回が最終回です。最後までご愛読いただきありがとうございました。