[第5回/広島県] 自然環境は「日本の縮図」高い観光力と技術力

原爆ドーム

原爆ドーム

「宮島・厳島神社」「原爆ドーム」と二つの世界遺産を持ち、産業力と山と海の豊かな自然は「日本の縮図」と称されます。何より暮らしやすさが一番の魅力です。

愛される地元力

宮島・厳島神社

宮島・厳島神社

広島県は東の備後、西の安芸と北部の芸北、備北地方があり、それぞれに地域性を反映した産業と文化、山・海の自然が豊かで、暮らしやすい土地だと言われています。愛郷意識が高く、プロ野球やサッカーなどの熱い応援ではその一体感が魅力です。ちなみに広島東洋カープの”東洋”は、広島に本社を持つ自動車メーカー、マツダの旧社名「東洋工業」であることに由来します。

仕事と暮らしの両立へ

広島県では平成22年から10年後の未来を展望した「ひろしま未来 チャレンジビジョン」の5年が経過し、新たな改定を経て再び挑戦が始まりました。

4つの柱は、「人づくり」「新たな経済成長」「安心な暮らしづくり」「豊かな地域づくり」です。広島地域の多彩な特性と強みを生かし、「仕事でチャレンジ、暮らしをエンジョイ」を目指しています。県内GDPの産業別構成比は、第1次産業0.8% (全国平均約1.2%)、第2次産業26.9%(約24.6%)、第3次産業72.1%(約74.2%)です。(※データは平成25年 内閣府と広島県総務局統計課)

高い製造技術力の水準

広島県は西日本に有数の製造業集積地で、その技術力は世界トップレベル。市場の動向に迅速に対応できる「イノベーション立県」です。輸送用機械、鉄鋼業、電気機械、一般機械で製造業全体の約7割を占め、さらに船舶製造、食品製造、化学工業と続きます。

自動車関連産業では産学官の連携による「カーテクノロジー革新センター」を設け、創生された革新技術の成果を県内自動車関連企業に提供していく仕組みがあります。広島の技術の強みを探求する「キーテクノロジー研究活動」、他社製品の分析・解析で技術課題抽出の「ベンチマーキング活動」、さらに将来技術の可能性を探る「新情報トライアル・ラボ」では、技術の優位性を検証し実現性を高めます。一方、航空機製造でも「広島航空宇宙研究会」「炭素繊維複合材料利用研究会」が組織され、優れた技術集積を進めています。

瀬戸内海の春、名物と観光

この時期、旬の食材は瀬戸の真鯛、通販でも人気の大野あさり、やわらかく栄養豊富なわかめ、全国1位の広島わけぎ、文田しいたけと続きます。ご当地庶民の味はやはりお好み焼き。広島市内には店が集まる「お好み村」「お好み共和国」「お好み駅前広場」があり迷うほどです。

一方、温泉は大分県よりも多く63カ所もあり、25度以下の源泉数は日本一。沸かすだけで純度100%です。宮島観光の拠点となる対岸の「宮浜温泉」、高濃度天然温泉で湯冷めしない”熱の湯”で瀬戸内の眺めも良い「みはらし温泉」、街並みが懐かしい趣きのラドン温泉「神楽門前湯治村」などが評判です。

いま注目の観光地は休暇村でもある大久野島です。「野うさぎの島」として野放しのうさぎを見に来る外国人観光客が急増中です。また呉にある大和ミュージアム/海事歴史科学館への来館者も多く、戦艦大和をはじめ戦後の大型タンカーに至る造船、製鋼の歴史と科学技術、そして何より平和の大切さを後世に伝えています。

春の花見は平和都市の聖地、平和記念公園や福山城公園(4月上旬まで)をはじめ、県内東西南北に多くの名所があります。春の訪れを満喫しに訪れてみてはいかがでしょうか。

広島map