[第10回/石川県] 愛される上質の和 自然と歴史と文化の趣

兼六園

兼六園

加賀百万石の歴史に裏打ちされた城下町金沢が、北陸新幹線の全線開通でぐっと身近に。ここを拠点に石川県全体に活気が蘇ります。自然と文化の調和は、世界からも人を呼びます。

日本の美を凝縮する独自の地方色

金沢城

東京から金沢まで約2時間半。元々魅力が多い石川県、北陸新幹線の全線開通でさらに人を呼びます。能登、金沢、加賀エリアに分かれ、それぞれに美しい自然の景観、奥深い歴史、多彩な文化、伝統工芸など日本の美を凝縮する独自の地方色が際立ちます。

人口10万人あたりで見る石川県の特徴ある日本一は、「生け花・茶道教室数」「カレー店店舗数」「焼き肉店店舗数」(2013年〜14年)、「日展の入選者数」「日本伝統工芸展の入選者数」(2015年)などがあります。

製造品出荷額の7割、機械産業が強み

石川県の強みは「製造業の集積」「ニッチトップ企業の集積」をはじめ、人材育成や技術開発を担う「高等教育機関の集積」など製造業の比重が高く、特に機械産業は製造品出荷額の約7割を占め、1人あたりの生産用機械器具製造業出荷額は全国1位(2013年/従業員4人以上)です。

また、石川県は輪島塗、九谷焼、金箔、金沢漆器、和紙、桐工芸、加賀友禅など36業種の伝統工芸産業を持ち、世界に誇れるものづくりが受け継がれ、今後は欧州などへの販路展開も期待されています。

石川県の産業別構成比率は、第1次産業1.0% (全国平均約1.2%)、第2次産業24.3%(約24.3 %)、第3次産業74. 1%(約74.5%)となっています。

※データは平成24年度/石川県統計情報室より。

城下町金沢と能登の自然景観

ひがし茶屋街

金沢では、9月15日(木)〜18日(日)より【中秋の名月観賞会】として「金沢城・兼六園四季物語 〜秋の段〜」が始まり、秋の城と庭の幻想的な雰囲気を味わえます。古い町並みの文化財「ひがし茶屋街」「大名屋敷跡」なども前後に散策したいものです。

能登方面では、日本で唯一の車で走れる砂浜海岸「千里浜なぎさドライブウェイ」を体験し、さらに足を延ばして輪島にある「白米の千枚田」へ。海に面した世界農業遺産の棚田は夕映え時が特に美しい。能登半島を回り「見附島」まで下れば、今度は朝日の絶景が迎えてくれます。

温泉なら山城温泉、山中温泉、粟津温泉、片山津温泉が集まる加賀温泉郷。能登では和倉温泉、輪島温泉、そして断崖下の絶景温泉「ランプの宿」です。

食の楽しみはまず、能登湾の新鮮な地魚をネタにする七尾の「能登前寿司」や「能登丼」です。金沢の郷土料理では美しい器に盛る「じぶ煮」と溶き卵を寒天で固めた上品な味の「べろべろ(えびす)」です。そして、ぜひいただきたい食材が「能登牛」です。ご当地B級グルメはコクがあって癖になる、カラメルが入った「金沢カレー」。白山市では「つるぎTKGY(たまご、かけごはん、焼き)」。お店独自のTKGYがあり飽きません。デザートでは天来烏骨鶏の卵を使う、甘さ控えめで濃厚な味の「烏骨鶏プリン」です。本場の和菓子も楽しみです。

石川県への旅は日本人の美意識に触れる心地よさです。ぜひ、「いらっしね!」。