
[第18回/富山県]端正な魅力に満ちた 地方の潜在力、富山

黒部ダム
山と海が絶妙な地形で端正に成り立ち、自然の恵みに満ちた北陸・富山県は、北アルプス立山連峰の雪を徐々に溶かしながら、本格的な春への息吹で多くの人を一層惹きつけます。
山と湾と水の恵み

立山連邦/ミクリガ池
富山県は、東は新潟県と長野県、西は石川県、南は岐阜県に隣接し、北は日本海に突き出る能登半島の根元で富山湾を形成し、背後には富山・立山の雄大な3,000m級の北アルプスを従えています。富山湾は沿岸からすぐに深くなり海底にいくつもの谷がある独特な地形で、立山連峰から運ばれる栄養豊富な水によって魚介類の格好の住処となることから「天然のいけす」と呼ばれ、港のすぐ近くが魚介類の豊富な漁場となります。また、水に恵まれた自然環境は日本一の水田率を誇ります。
アクセスも良く、富山―東京間は北陸新幹線で2時間少々、大阪、名古屋へも3時間足らず、国内・国際線の空港もあります。
若者の県内定着を促進
富山県は「とやま未来創生戦略」を掲げ、「つづく富山、えがく未来」をキャッチフレーズに、ここで学び、働き、暮らす若者を中心に据えるビジョンで、次世代の県内定着を促す地方創生を目指しています。豊かな自然環境、暮らしやすさや多様な食文化、高い技術力と職場環境の充実など、アイデア満載の県ホームページでその魅力を発信し、定住を決めていく若者のドラマやドキュメンタリーなどでもその思いを伝えています。
産業は第2次産業の比率が高く、日本海側では屈指の工業集積地として化学工業、金属製品製造が盛んです。住宅用アルミサッシのシェア日本一(平成26年)や「くすりの富山」の名の通り、医薬品生産金額(人口1人当たり)、製造所数(人口10万人当たり)がともに全国1位です。農産物では種籾、チューリップの球根出荷が全国1位です。
富山県の産業別構成比は、第1次産業0.8%(全国平均約1.2%)、第2次産業34.3%(約24.5 %)、第3次産業63.9 %(約74.3%)となっています。[データは平成26年度/富山県経営管理部・統計調査課]
雪の大沢ウォークとトロッコ電車

雪の壁
この季節は立山・黒部アルペンルートの冬季閉鎖期間が開け、本格的な山岳観光シーズンの幕開けとなります。代表的なイベントが「立山・雪の大谷ウォーク」。除雪で積み上がった高さ十数メートルの雪の壁が約500m続く区間を、片側歩行者専用にして歩くイベント(6月22日まで)です。ここからトロリーバスでトンネルを抜ければ、世界に誇れる黒部ダム(高さ186m、堤長492m)に行くこともできます。一方、トロッコ電車を楽しむなら黒部渓谷鉄道の宇奈月駅から欅平駅の往復コースで、随所で自然渓谷の散策もできます。宇奈月は奥深い山に抱かれる富山を代表する温泉郷でもあり、つべつべの「美肌の湯」が評判です。温泉では他にも富山湾の海の向こうに立山連峰を一望する能登半島国定公園・氷見温泉郷をはじめ、富山温泉、立山山麓温泉など多種多様です。
食では、4~6月が旬の富山湾のホタルイカ(刺身、酢味噌和え、沖漬け)と白エビ(刺身、昆布じめ、唐揚げ、白エビバーガー)が美味です。ご当地では本場のます寿しをはじめ、氷見うどん、ブラックラーメン、昆布パンなどが有名で、スイーツでは甘金丹(かんこんたん)がお土産にも喜ばれます。

ホタルイカの身投げ
この季節、富山湾では新月の前後に大量のホタルイカが青く光りながら浜に打ち上がる幻想的な「ホタルイカの身投げ」が起こります。この光景を体験できればラッキーですよ。