[第21回/和歌山県]世界遺産の文化と自然三つ星の誘いへ行く

熊野古道

「木の国」は緑を育み、「水の国」は水を湛え、滝を落ち、清流となって川を下り、海に注ぐ豊かな生態系を保つ。世界遺産の霊場の佇まいと文化が息づく「紀伊国」の魅力は深い。

「木の国」と「水の国」

紀伊半島を南西から西側を囲むように広がる「紀伊国」和歌山県は、北を大阪府、東を奈良県、南東を三重県、海上を隔てて兵庫県にも隣接しています。県面積の77%が森林で占められた「木の国」は、清流を生む「水の国」でもあります。美しい海と海岸を持ち、沖合を走る黒潮(日本海流)が温暖な気候をもたらし果樹王国の恵みとなります。日本の食文化のふるさととして、醤油の醸造、鰹節の製法を生み、他の名産地に伝えられました。

優良県産品に「プレミア和歌山」

三重塔と那智の滝

三重塔と那智の滝

和歌山県は、安心・安全、品質の高さ、県内の材料や素材や製造へのこだわり、さらに歴史や伝統も語れるなどを条件にした県産品を、観光資源、伝統工芸、工業製品も含めて「プレミア和歌山」に認定し、推奨品としてブランド展開。製品は県内やネット販売をはじめ、東京では有楽町の交通会館地下1階にある「わかやま紀州館」でも取り扱います。

和歌山県の日本一はみかん、柿、梅、グリーンピースの生産量、備長炭を代表する白炭のシェアなどがあります。

和歌山県の産業別構成比は、第1次産業1.8%(全国平均約1.2%)、第2次産業32.2%(約24.5%)、第3次産業64.9 %(約74.3%)となっています。

[データは平成26年度/和歌山県企画部企画政策局調査統計課]

熊野古道とパンダランド

jpsaihakken-v21-04

観光地として「すぐ思いつかない」「行き方が分からない」などの声がある和歌山県は、実際に近畿圏からの訪問が主ですが、意外に東京の羽田空港から南紀白浜空港へは70分、首都圏からの高速バスもあり、近頃では関空経由でのインバウンドも増加中です。

名所はまず、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」で登録された熊野古道、高野参詣道で、ミシュラン・グリーンガイドでも★★★の評価(わざわざ旅行する価値 がある)です。熊野古道は熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)を巡るもので、田辺や新宮、那智勝浦、熊野から入ります(中辺路)。

温泉では美しい白良浜海水浴場からも近い万葉集や日本書紀にも出てくる「白浜温泉」、太平洋を望む景勝地の「勝浦温泉」。さらに北に上って、熊野本宮温泉郷 では世界遺産で唯一浸かれる「湯の峰温泉つぼ湯」、川原が温泉になる「川湯温泉」、大露天風呂の「渡瀬温泉」。また、高野山への途中には日本三美人の湯 「龍神温泉」があり、それぞれの観光コースに取り入れます。

和歌山アドベンチャーワールド

和歌山アドベンチャーワールド

いまパンダが話題ですが、日本で一番繁殖に成功しているのが白浜の「和歌山アド ベンチャーワールド」。パンダラブでは昨年9月に生まれた結浜(ユイヒン)をはじめ、現在5頭を飼育中(他に3頭は中国へ)。ここは動物園、水族館、遊園 地が1つになった人気のテーマパークです。

食べてみたいのはご当地和歌山ラーメン。「井出商店」と「本家アロチ丸高中華そば」が代表格です。