キースイッチについて 基礎編

身の回りを見渡すと、照明やテレビ、エアコン、洗濯機など、たくさんのスイッチが使われています。産業界に転じても同じように多くのスイッチが使われています。

ここではタキゲンが取扱うキースイッチについて、機構や特徴について解説していきます。

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キースイッチ入門編1
キースイッチ入門編2

キースイッチの特性

 特定の権限をもつ人だけが操作できるキースイッチ。キースイッチは「錠前+スイッチ」の組合せで構成されていることから、市場では「スイッチメーカーのキースイッチ」と「錠前メーカーのキースイッチ」が存在しています。

 スイッチメーカー製は、例えば大電流遮断用スイッチのようなON・OFFをメインとする制御スイッチで、錠前機構はサブ的に使われている傾向があります。

 一方で、当社のような錠前メーカー製は、スイッチ部にマイクロスイッチや独自に開発した専用スイッチを搭載し、かつ錠前機能に主力をおいたキースイッチです。使用するシーンに合せ幅広い用途に応えられるよう、スイッチの仕様と錠前の種類の組合せで変化が可能になっています。

 タキゲンが取扱うキースイッチを機能別に見ると、以下の4つに大別されます。

【一般キースイッチ】
電源装置に

錠前 対 鍵の関係で、錠前本体と専用の鍵が組になって作動させる働きになっています。

【マイクロスイッチタイプ】

緻密な錠前機構と組込まれたマイクロスイッチの数によって複数の回路構成が得られます。
マイクロスイッチの数は1〜3個までが標準仕様。

鍵回転角度・鍵の抜差し位置/A・B・C位置の90°〜180°

【錠前&スイッチ一体型タイプ】

錠前部にタキゲンオリジナルのスイッチを組込んだコンパクトなキースイッチ。
機能はマイクロスイッチタイプと同じですが、スイッチ接点は1極と2極のみ。

鍵回転角度・鍵の抜差し位置/E・F位置の90°

【止め金付キースイッチ】
小型ボックスに

キースイッチに止め金が付属。止め金の動作とスイッチの動作を同時に行います。
例えば、扉を締めて止め金が動いて施錠したと同時に、スイッチもONまたはOFFする。

【回転制御キースイッチ】
機械式駐車場の操作盤に

ソレノイド付キースイッチ。ソレノイドの動作により鍵の回転を制御します。

ソレノイドが通電しているときに鍵はE位置〜F位置の範囲で回転。
通電を止めることにより、F位置にて鍵がロック状態になる。

【オペレーターキースイッチ】
管理機器に

本体機構に対し目的別に作られた複数の鍵がセットになっており、鍵の操作で出力信号の変化が作れる機能をもっています。
例えば、3〜63通りの回路構成のスイッチがあり、3〜63人のオペレーターがそれぞれ専用の鍵でなければ操作することができない構造です。

■S-102 スイッチ3通りの例

鍵No.1 管理者A ON ON
鍵No.2 管理者B OFF ON
鍵No.3 管理者C ON OFF

スイッチ定格

スイッチは小型でありながら機械的な動作によって大容量の電気回路の開閉が可能であることが特徴です。この機械的な動作特性が長期間、安定して作動するよう、電気定格が表示されています。

また、AC(交流)・DC(直流)とともに大きな遮断電流・突入電流が流れると、スイッチ内部の接点は、回路が開閉するときにアーク熱によって溶解したり消耗したりします。こうした現象を少なくするために、使用目的別のA(アンペア)が設定されています。

タキゲンでは使用用途に合せ特注にて高容量形や微小負荷型も製作ができます。

S-1用マイクロスイッチ定格の例

タイプ 定格電圧(V) 抵抗負荷(A)
16A
(標準)
AC  250 16
DC  125
   250
0.6
0.3

ご注文例

S-36

ご紹介した製品は一例です。ご要望に合せた鍵回転角度・鍵の抜差し位置での製作をはじめ、モーメンタリー機構や接点構成などについてもカスタマイズできます。