1973年(昭和48年)の発刊以来、『タキゲンニュース』は社業の成長とともに歩んでまいりました。そこで、本誌バックナンバーより故 瀧源秀昭社長の発言を抜粋する連載企画をスタートしました。過去のメッセージから多くのヒントを現在に伝える、いわば原点回帰のページ。タキゲン製造の基本精神を継承する、未来へのアーカイブです。
「私達の勤(はたら)く目的」
あらゆるモノ創りに対応するため、タキゲンには自社工場がありません。ファブレスメーカーの強みを生かし「ないモノは創ればいい」の姿勢を崩すことなくお客様に必要とされる製品創りを続けています。そのため必要不可欠なのが協力工場です。社員、家族同様の存在。これがタキゲンの三位一体です。自分達さえ良ければ良いのではなく、社会貢献に寄与することを目的としています。この目的を忘れないため、日々口にする言葉。先代がその言葉に込めた思いを紹介します。
タキゲンには、いろいろな表現があります。例えば、毎朝、唱和している「私達の勤(はたら)く目的」。
「タキゲン製造株式会社の構成員の勤く目的は、全員が毎日を楽しく円満に、会社も個人も共ども進歩発展させ、社会(くらし)を豊かにする事である」
これは社員だけではなく、本来人間が働く目的であるかもしれません。
私達が働けるのは、私どもを送り出してくれる家族、新入社員の皆さんのご両親、また、私どもを、知的な面、あるいは健康面で、いろいろリードしてくださる諸先生方、そして私どもの製品を造ってくださる協力工場の方々…。そういう、三位一体のタキゲングループがあるからこそ、皆が働けるのですから「構成員」と表現しています。
また、「毎日を楽しく円満に」とは、毎日毎日の生活の積み重ねが一生であり、その日その日が楽しくなければ、何の人生あらんやという気持ちを表しています。
「会社も個人も共ども進歩発展させ」
会社とは、ここに集まった新入社員の皆さんと、先輩社員や、私―。
そういう人間集団なんです。
(1994年5月号 創立記念式典および入社式)