
1973年(昭和48年)の発刊以来、『タキゲンニュース』は社業の成長とともに歩んでまいりました。そこで、本誌バックナンバーより故 瀧源秀昭社長の発言を抜粋する連載企画をスタートしました。過去のメッセージから多くのヒントを現在に伝える、いわば原点回帰のページ。タキゲン製造の基本精神を継承する、未来へのアーカイブです。
より良い品を、よりスピーディに、より親切に
タキゲンが取扱う製品数は約8,000種類。アイテム数の正確な把握はベテラン社員ですら困難を極めます。今では製品データベース構築が進み、ひと昔前に比べればインターネットからの注文もスムーズです。製品台帳で管理していた時代から、お客様の問合せを一期一会とし、種類豊富な製品を取りそろえ全力で要望に応えていく。そんな先代の思いを紹介します。
そもそもISOというのはお客様本位の規定ですから、より良い品を、よりスピーディに、より親切にということです。
そこをよく頭に入れて、社員に教えてください。
(中略)
上位製品だけ持って、中位製品はある程度、下位製品※は全然ないということになると、お客様からの電話で、カタログに掲載されていないこれの寸法を測ってほしいと言われても、ないから寸法の測りようがありません。
すると本来なら自分が本社へ聞いてお客様へ連絡するべきなのに「本社へ聞いてください」と、たらい回しにしてしまう― 失礼千万この上なしです。
1個でもあれば説明できるし、1個でもサンプルを持参し、何日か待って頂ければ工場から取り寄せますと言えます。
逆に考えるなら、皆は上位製品のことばかり考えて、下位製品の在庫を考えていません。
違うんです。全品なければいけません。
(中略)
お客様の満足のいくような品物をつくる、また、満足するようなサービスがISO9000ですから。
極端に言えば全品1個ずつあることを原則とし、売れるものはそれでは何個置けばいいのかと。そんな逆転の発想をすれば意外に道は開けます。
今私が言ったことを反芻しながら、各々の支店に帰って「自分のところは」「どういうやり方をやったら」よく考えて、協力工場さんとざっくばらんに相談してもらいたい。
(※編集部注:下位製品とは販売数の少ない製品)
(2000年10月号 経営会議レポート)