1973年(昭和48年)の発刊以来、『タキゲンニュース』は社業の成長とともに歩んでまいりました。そこで、本誌バックナンバーより故 瀧源秀昭社長の発言を抜粋する連載企画をスタートしました。過去のメッセージから多くのヒントを現在に伝える、いわば原点回帰のページ。タキゲン製造の基本精神を継承する、未来へのアーカイブです。
時代に適合して生きる。失敗を恐れない。
日本人にはない感覚と、失敗を恐れない気概…。当時の新入社員のある2名が言った一言にとても感銘を受け、その件について経営会議メンバーに語ったときのエピソードをご紹介します。
中国人の新入社員が良いことを言っていました。
「時代に適合して生きていくんだ」と言い切ったとき―私はびっくりしました。
私たち日本人は割合に右だと言うと右に、左だと言うとすぐ左…。そうじゃなくて時代に適合しながら生きていく。ああいう感覚が中国人にはあるんだなあと感じ入りました。
日本の女の子もいいことを言ったね。「私は転ぶことに注意して気を使うよりも、転んだ後にどうするかということを考える」と―。
あれは非常に大切な言葉だと思って聞いていた。要するに、転んだら(失敗したら)どうしようと思ったら何もできない。やろうと思ったけれどもどうにも失敗しそうだから無難な道に行きましょう。それではいけないんだ、やってみろと。
それでこけたらどうやって立ち直るかを考えるのが人間なんだと言っていたわけでしょう。失敗したら直せばいいじゃないかということなんだ。
今日は、中国人と日本人の、そんな表現をした子が、非常に脳裏に焼き付いています。
(2003年5月号 経営会議レポートより)