1973年(昭和48年)の発刊以来、『タキゲンニュース』は社業の成長とともに歩んでまいりました。そこで、本誌バックナンバーより故 瀧源秀昭社長の発言を抜粋する連載企画をスタートしました。過去のメッセージから多くのヒントを現在に伝える、いわば原点回帰のページ。タキゲン製造の基本精神を継承する、未来へのアーカイブです。
商売の基本「値下げは一番、値上げは最後」
タキゲンの経営哲学は、当社を発展させた先代 瀧源秀昭の考え方が色濃く継承されています。
現経営陣も先代から直に厳しく鍛えられた世代。お客様第一主義と言葉にするのは簡単なこと。それを実行するのは自社利益にたつと難しいことです。
お客様の立場になって考えた商売のポイントをご紹介します。
値下げは他社に先駆けて一番早く行わなければいけません。そして値上げは一番最後にするべき―ということです。
そうすると他所が皆、値段を上げているのに、タキゲンは我慢しているなと、お客様が一番分かってくれます。タキゲンが一番早く値下げをすれば、お客様から喜ばれますし、それによって市場もだんだん下がっていくわけです。
要するに、当社はこの業界のプライスリーダーにならないといけません。例えばA社が下げても、タキゲンさんは少しも値段を下げないじゃないか、と言われるようなことになったらおしまいです。最初に値段を下げれば、努力しているのだとお客様はちゃんと見てくれます。
そして、値上げは一番最後です。他所が皆、値上げをしても、一番最後に。
耐えて耐えてもうどうにもならないので値上げしましたとなれば、お客様も納得してくれるはずです。タキゲンは今まで上げなかったから―まあいいということになるのです。
だから苦しいけれど、商売のポイントというのはお客様の信頼を得ること。それには、やはり一番最初に値下げする、値上げは一番最後にする。商売上では、損ですが―。
昔から「損して得取れ」です。それを実行しようとしているだけです。当社のお得意様は、当社のパーツを使って物を作って、それをまた売るわけです。その価格にも影響が出ます。そこのところを間違えてはいけません。
お客様にタキゲンの品物を使っていれば安心だという気持ちを持ってもらえなければ商売にはなりません。
(2007年4月号 経営会議レポートより)