1973年(昭和48年)の発刊以来、『タキゲンニュース』は社業の成長とともに歩んでまいりました。そこで、本誌バックナンバーより故 瀧源秀昭社長の発言を抜粋する連載企画をスタートしました。過去のメッセージから多くのヒントを現在に伝える、いわば原点回帰のページ。タキゲン製造の基本精神を継承する、未来へのアーカイブです。
実行しながら改善しよう
日本人は、気質や失敗に対する厳しさから完璧主義者が多いと言われ、行動を始めるのが遅い傾向があります。時間をかけた机上の準備より、とりあえず動き出して経験を元に修正を繰り返すほうがチャンスを逃さず早く成果を得られる。タキゲンの行動基準“即断実行”は、グローバル化の時代により強く求められる考え方です。
皆さんはパーフェクトを求めすぎていませんか。だからいつもモタモタして機を失するのです。最初からパーフェクトを求めるのは無理なことです。ただ、数字が社内的に発表されるから、あまりでたらめではみっともないと気にするでしょうが、そんなに大幅に狂うはずはないのです。品物の支店間移動について論議が出ていましたが、全体の量から見れば数パーセントくらいしかないはずです。微々たる問題です。だから、スタートの時点では多少間違いがあっても、実行していきながらパーフェクトに持っていくべきなのです。朝礼で毎日唱和しているタキゲンの行動基準“即断実行”は空念仏ではないんですよ。
パーフェクトを追いすぎてタイミングを失ってはならないということです。とりあえず目的に向かってやってみる。そして実行しながら方法を固めていくことが大切です。
(1979年10月号 経営会議レポートより)