1973年(昭和48年)の発刊以来、『タキゲンニュース』は社業の成長とともに歩んでまいりました。そこで、本誌バックナンバーより故 瀧源秀昭社長の発言を抜粋する連載企画をスタートしました。過去のメッセージから多くのヒントを現在に伝える、いわば原点回帰のページ。タキゲン製造の基本精神を継承する、未来へのアーカイブです。
将来の目標とは
マネジメントで有名なピーター・ドラッカーは、「目標には、はじめからチームとしての成果を組込んでおかなければならない」と述べています。今回は、先代社長が知人との会話を通じ、目標設定のあり方を改めて実感したエピソードを紹介します。
最近、経営とかモラールについて講師をしている友人に面白い話を聞かせてもらいました。「どんな講義をするんだい?」と聞いたら、「人間は本年度、そして中期、長期の目標を設定しなければならない。目標のない人間は伸びない。…だから目標設定に対する動機付けをするのが僕らの仕事なのさ」と言うから、「それはいいことだ。同感だ。しかし自分では、来年は大体こんなことかな…という程度しか分からない」と言ってみたところ、「それじゃダメだよ」と面と向かって言われてしまいました。
「自分ひとりで海外へ行ったとする。5年くらいだ。そこで君が帰ってきた時、タキゲンという会社はどういう姿であってほしいと思うかね?その望んでいる姿が目標なんだ!」
― 何かジーンときました。
“5年後、どんな姿であってほしいのか?”その問いかけはいろいろと示唆するところが多いと思います。
この会社の来年は、5年後は、10年後の姿は…。個人の5年後、10年後は…。
それが短期、中期、長期の目標なんだと言われた時、考えさせられてしまいました。
君たちは、タキゲンが、自分自身が、5年後どんな姿であってほしいですか?
(1981年5月号 経営会議レポートより)