1973年(昭和48年)の発刊以来、『タキゲンニュース』は社業の成長とともに歩んでまいりました。そこで、本誌バックナンバーより故 瀧源秀昭社長の発言を抜粋する連載企画をスタートしました。過去のメッセージから多くのヒントを現在に伝える、いわば原点回帰のページ。タキゲン製造の基本精神を継承する、未来へのアーカイブです。
重要なことは、いつも目に触れるところに掲げる
組織の強みは、多くの人々が一つの目標に向け力を合せることで、個人では成しえない大きな成果を生み出せる点にあります。しかし、目標が共有されていないと努力の方向が分散し、大きな力を生むことはできません。先代社長は、様々な場所に目標を掲示することで無意識に目標を共有し、力を合せる教育を行っていました。
我が社のPRは、既製品ではなく、やりつつある開発製品を皆さんに紹介する将来志向型なんです。冒険的に公言することで、せざるを得ない認識付けをするのです。お客の具体的ニーズで開発のスピードがグーンと加速されます。
教育システムの第一は、常に目に触れるところに目標を掲げたり書いたりすることが、どうも認識教育上必要なんだと感じます。スローガンは「エッセンス」ですから、頭を素通りしても多少効果があると思います。ノートの表紙にも…。トイレのカレンダー格言は妙に憶えているもんです。だから社内のあちこちにぶら下がっているんです。
経営の方向は毎年発表する編成表に明記してあります。特に開発は具体的に目標設定をしていますから、品目ごとにもっと煮詰めて、即実施していただきたい。「我が社の製品動向と将来」のテーマに対する基本路線をもう一度見直してください。
繰り返しますが、教育は常に将来を見つめ、重要なことは抜粋し、いつも目に触れるところに掲げたり持たせたりすることが、研修以前の教育として大変重要なんです。
(1989年7月号 社長のコラムより)