1973年(昭和48年)の発刊以来『タキゲンニュース』は社業の成長とともに歩んでまいりました。そこで、本誌バックナンバーより先代社長・故 瀧源秀昭の発言を抜粋する連載企画をスタートしました。過去のメッセージから多くのヒントを現在に伝える、いわば原点回帰のページ。タキゲン製造の基本精神を学ぶ、未来へのアーカイブです。

サービスとは値引きではない

先代社長は、不況の中で無理に業績を求めることを戒めました。そこには、目の前の数字だけではない、自社の未来を見据えた考えがありました。

タキゲンはこういう不況下でどういう商売をするべきなのか。一般的には売上第一と焦ります。「さあ売れ、さあ売れ」これは間違い。不況なのに売れというのは土台無理な話なんです。

昔から「靴をすり減らして物を売ってこい」なんて言いますが、商売というのはそういうものではなくて「需要」と「供給」です。需要がない時に営業マンに圧力をかけると、必ず安売りに走ります。例えば生鮮食品ならその時によって相場が違い、普段でも変動があります。しかし、当社のハンドルとか蝶番は10年、20年は持つんです。鈑金関連の金物屋はそういう業界ですから、1回値下げしたら二度と上げられません。タキゲンの不況対策はサービスの向上と回収の徹底です。サービスとは値引きではありません。値引き以上に必要なものは、品質保証と確実な納品です。お客様のニーズに合せた対応が最も必要とされる時期です。

仮に、この業界のプライスリーダーである当社が値下げをしたら、業界のダンピング競争を煽るのは目に見えています。今こそ価格を維持することが、リーダーとしてのタキゲンの責務だと思います。

21世紀に備えて、好況になった時に優秀な設計や営業マンがいなければ商売になりません。だからどんな不況下でも社員教育が第一です。良い人材を得るためには毎年、無理をしてでも採用しなければならないのです。

それと同時に、新製品の開発です。タキゲンの21世紀の目標は「3K」― 交通、環境、健康です。

(1998年7月号 経営会議レポートより)