1973年(昭和48年)の発刊以来、『タキゲンニュース』は社業の成長とともに歩んでまいりました。そこで、本誌バックナンバーより故 瀧源秀昭社長の発言を抜粋する連載企画をスタートしました。過去のメッセージから多くのヒントを現在に伝える、いわば原点回帰のページ。タキゲン製造の基本精神を継承する、未来へのアーカイブです。

ユーザーと直結して生まれる協力関係がタキゲンの営業の基本

直販システムの最大の目的は、「ユーザーが抱いているニーズが、製品にすぐ反映できる」ということです。実際に使用される商品の長所も欠点も、肌で感じているのはお得意先だけです。その情報は製品のレべルアップ、または新製品の開発に必要欠くべからざるものです。

もし大量にさばけるからといって、昔ながらのシステムである中間業者に任せたら何が起こるでしょうか。ここをよく考えてください。

中間業者は単に物を売って利益をあげれば目的は達せられます。仮にその商品が売れなくなったら、別の商品に鞍替えするだけです。原因を徹底的に洗って、メーカーにその理由を正しく伝えるかどうか。タイミングが遅くなるかもしれません。急テンポで進む技術開発の時代に遅れをとってしまいます。それよりも…

タキゲンの営業がユーザーと直接にお付き合いしていれば、「ここを改善すれば、もっと良い製品になるよ」とか、「A製品とB製品の長所を生かした機能をもつ新製品は開発できないだろうか」といったユーザーの要望が直接伝わってきます。具体的な形でユーザーの求めているものがはっきりすれば、タキゲンの開発機能は飛躍的に向上します。ユーザーの希望に応えた新しい開発商品の誕生です。

ユーザーとメーカーであるタキゲンが直結することで生まれるお互いのメリットは数知れません。この協力関係がタキゲンの営業の基本でした。

直販システムは、新製品開発のためであることを充分に認識してください。我々に課せられている任務は、新製品を開発するためにも、大きく飛躍するためにも、市場の競合関係に常に勝ち続けなければならないということです。

アタック目標であるエンドユーザーを設定して、競合関係を排除する方法や、ユーザーの求めているものを徹底的に究明する必要があります。それには初心にかえった決意で、オールタキゲンの総力を挙げて、製品の改良と時代を先取りする新製品の開発のため、あらゆるニーズを吸収する努力を心掛けてください。

(1980年2月 経営会議レポート より)