1973年(昭和48年)の発刊以来、『タキゲンニュース』は社業の成長とともに歩んでまいりました。そこで、本誌バックナンバーより故 瀧源秀昭社長の発言を抜粋する連載企画をスタートしました。過去のメッセージから多くのヒントを現在に伝える、いわば原点回帰のページ。タキゲン製造の基本精神を継承する、未来へのアーカイブです。

人間集団(会社)の運営は理論を超越した難しさがある

大卒レベルの秀れた語学力と若い力を積極的に採用して、老齢化しつつあるタキゲンを根本的に改革していかねばならない大切な時である。だから、管理職は社員の採用と定着の原理原則を間違えないようにしてもらいたい。

タキゲンの仕事は、どのセクションでもそのボリュームとレベルは同じである。集荷、梱包は年寄りだから我慢して長続きするだろうとか、女性は持続性があるから定形的業務、単純作業に向くだろうなどという考え方は全く誤りである。仕事と定着性に於いて、年齢と男女の性別は全く関係ない。

当社は人事の基本として、

  1. 人材の育成
  2. 雇用の安定
  3. 公平な賃金
  4. 平等な取扱い
  5. 昇進の希望
  6. 明るい職場
  7. 相互信頼と意思の疎通

の七原則を踏まえて経営をしているから、社員は希望を持ち安心して楽しく働いていられるのである。皆さんはこの七原則をかみしめて再認識しなければならない。

経営ビジョンとして今後はせっかちな経営は慎しむべきであり、人事については慎重にならなければならない。

パートだから嘱託だからという安易な気持ちで採用してはいけないし、人道的にも安易な気持ちで解雇してはならない。これからは就職が困難になってくるにもかかわらず、雇用問題は今まで以上に難しくなってくることは必定である。不況のため解雇もできかね、それでも新人を採用しなければならぬというジレンマに陥るような課題が多々生じてくる。

社員の採用と解雇、また社員の教育についての実態、即ち人間集団(会社)の運営は、理論を超越した難しさがあるということを充分に理解しなければならない。

(1977年1月 経営会議議事録 より)