
1973年(昭和48年)の発刊以来、『タキゲンニュース』は社業の成長とともに歩んでまいりました。そこで、本誌バックナンバーより故 瀧源秀昭社長の発言を抜粋する連載企画をスタートしました。過去のメッセージから多くのヒントを現在に伝える、いわば原点回帰のページ。タキゲン製造の基本精神を継承する、未来へのアーカイブです。
10年後、20年後を考えた価値ある人材の育成に向けての投資
前々から常日頃言っているように、10年後、20年後のタキゲンを考えるから、今年は25名の大学卒業者を採用しました。
100名の会社に25名入れることは、言い換えると、1/4の増員です。大変な冒険をしている訳です。
10年後に彼らが育つか育たないかによって、タキゲンの経営は大きく左右されてくるのです。これは大きな賭けといわなくてはなりません。タキゲンの発展していく屋台骨を背負える人材になるか否か。我々と共に今年はそのスタートラインに彼ら25名も立つのです。
人間の経済生活の寿命は50年ですね。この年数はちょうど鉄筋コンクリート建ての耐用年数に当たる訳です。話を具体的にするために極論すると、大学卒業の新入社員を25名も採用したことは、鉄筋コンクリート建てを一挙に25棟も建てたと同じことです。1人の人間を採用するのにはこれほど重要な意味があります。それが25棟ですから、大変な設備投資です。
我が社のような商業システムの会社では、人間に投資することが、生産工場のメイン大型機械の設備投資に相当します。この辺をよく考えて、価値ある人材の育成、タキゲンの将来を担う人材に育てていくよう心掛けてください。
(1979年2月号 経営会議報告より)