
1973年(昭和48年)の発刊以来、『タキゲンニュース』は社業の成長とともに歩んでまいりました。そこで、本誌バックナンバーより故 瀧源秀昭社長の発言を抜粋する連載企画をスタートしました。過去のメッセージから多くのヒントを現在に伝える、いわば原点回帰のページ。タキゲン製造の基本精神を継承する、未来へのアーカイブです。
「自分たち自身で、自分たちの会社を守り育てなければならない」
37年前の創立記念式典および入社式での先代社長の挨拶を紹介します。創立70周年を迎えるも、激しく変転する社会・経済環境に、自らの企業体質を改善し、新しい歴史と伝統を築こうとする決意が述べられています。この姿勢にこそ、今日のタキゲンがあることの意味が凝縮されている気がします。
年頭に今年の目標として「新しい歴史と伝統を創る年」という銘題を掲げました。
現状の姿を見てください。商品のライフサイクルは、大半が頂点に達しているものばかりです。今までの商品、過去の商法では通用しない時代が来ているからです。
目前の問題を抱えながら、今までの商品を慣習的に売っている…これで飯が食って行けると思ったら大間違いです。過去の歴史と伝統の上に、あぐらをかいているのではないだろうか!
タキゲンは今、大きな転機に立っていることを、認識してほしいのです。
皆さんが自分たち自身で、自分たちの会社を守り育てなければ発展はあり得ません。
(中略)
新入社員を採用したのも、これからの商品を創造し、新しい商法を開発してもらいたいからなのです。若い力でタキゲンの新しい歴史と伝統を創っていってもらいたい。
それには人間集団の能力のレベルアップが、何といっても基本なのです。
(中略)
未知の世界を切り拓き、我々は自分たちの力で生きていかねばならない…。肝に銘じてもらいたい。
先輩は新入社員の基本的な教育に当たって、机上の理屈をこねたり技を教えるのではなく、己れ自身の日常生活の行動を通じて、ビシビシと鍛えてもらいたい。この後輩を鍛えることは自らをも鍛えることになるのだから。
(1980年3月号タキゲンニュース 創立記念式典および入社式にて)